吉岡里帆と荻上直子が語る人生の転機「私にとってのチェンジは『カルテット』」(吉岡)「留学後に撮った1本の自主映画」(荻上)
『かもめ食堂』『めがね』にはじまり、昨年世に放った『波紋』と、人気と評価を得続けている荻上直子監督。堂本剛へのあて書きからスタートした最新作『まる』でキャストのひとりに名を連ねる吉岡里帆とは、脚本を担当した2017年放送のドラマ作品で出会っていた。今度は監督とキャストとして、久しぶりに再会し、タッグを組んだ。そんなふたりが語る「THE CHANGE」とはーー。【第5回/全5回】 ■【画像】吉岡里帆と荻上直子が語る人生の転機、素敵な2ショット写真 監督として、俳優として、一線で活躍を続けるふたり。自分がTHE CHANGEしたと感じる瞬間はあったのだろうか。 吉岡里帆(以下、吉岡)「私は『カルテット』というドラマです」 『カルテット』は2017年1月期にTBS系にて放送された、坂元裕二のオリジナル脚本による連続ドラマ。松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平がメインを務めるなか、物語をかき回すキャラクター・来杉有朱を吉岡さんが演じて、注目を集めた。 吉岡「それまでの私は、いろんなことを怖がって、人の目が気になってビクビクしていました。仕事ができないと生きていけないから、“とにかく必要とされなくちゃ!”と追い込まれていたんです。『カルテット』はタイトル通り、4人の物語なんですけど、そこに“不協和音が欲しくてキャスティングさせていただきました”と言われました。不協和音って耳障りが悪いものですけど、なんだか不思議と呼ばれているみたいな感じがあって、いわゆる悪役を初めてやりました」 ーー観ていました。とても面白かったです。 吉岡「“嫌い”とか“胸くそ悪い”とか、当時たくさん言われました。でもそこで、何か私の中でスパークして、チェンジしたんです。それこそ人目を気にせず、自分の信じている作品や監督、脚本の世界に“在る”ことに徹しました。すると、初めて自分の居場所が浮かび上がってくる感じがしたんです。あれが私のチェンジ、人生の転機だったと思います」