「耳を揃えてお金を返す」は人間の耳ではない?耳にまつわる雑学をご紹介
3月3日は語呂合わせから「耳の日」です。3月1日放送のCBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、「耳」をテーマに、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、さまざまなエピソードを語りました。
聞くこと以外の大事な役割
耳の役割は何といっても音を聴くことですが、実はもうひとつ大きな役割があります。それは平衡感覚を保つための器官でもあること。実は人間は平衡感覚の方を先に身につけています。 人間の祖先は水の中で生まれたために平衡感覚が大事で、のちに陸に上がると音が水中よりも伝わりにくくなったため、聴力が発達していったそうです。 また、耳が左右にあることで、どの方向から音が出ているのかも聞き取ることができます。 フクロウは左右の耳が上下にずれていますが、人間よりもさらに音の位置を正確に把握でき、夜でも活動できるのだそうです。ちなみにフクロウに似たミミズクの耳っぽい部分は耳ではなく、単なる毛だそうです。 また耳の表面積を大きくすると、冷却効果が大きくなります。耳の大きな動物の代表・ウサギは音で危険を察知するだけではなく、走って逃げる際に耳で身体を冷やすのだそうです。
なぜ「福耳」と言われる?
耳が良いと神様の声も聴こえるのではないかという言い伝えがあり、そのため聖人の「聖」の字には耳がついています。 お釈迦様の特徴は「32相80好」、つまり32の特徴があり、さらに細かく分けると80の特徴があるという意味です。その中に耳たぶが肩まで垂れ下がっているというものがあります。 耳たぶが大きい人のことを福耳といい、大黒天様も大きいですし、一般的に豊かなイメージがあります。 その耳たぶにつけるのがイヤリングやピアスですが、出土した土偶で耳飾りがあることもあり、かなり昔から飾りをつけていたことがわかります。
難聴のリスクが高まっている
ワイヤレスイヤホンがすっかり定着しましたが、イヤホンやヘッドホンで音楽を大音量で聴き続けているからか、若者の間でも難聴の人が増えています。世界保健機関(WHO)によれば、世界でなんと11億人が難聴のリスクにさらされているそうです。 1時間に1回は休むべきといわれていますので、ラジオの聴き過ぎにも気をつけましょう。 若者ではない人にとっては、加齢による難聴が気になるところですが、聴きにくくなったら補聴器などでフォローしないと認知症が進むという研究結果があり、注意が必要です。