成功者の「終の棲家」はやはり違う!集合住宅の最上階に水盤やガラスの離れが。贅を尽くした建築家の自邸のこだわりは…
年齢を重ね、家族の形が変わったことをきっかけに、家のあり方を考え直す方も多いのではないでしょうか?これからの暮らしを見据えて2度目の自邸を設計した建築家の野生司義光さん。都内の集合住宅の最上階に広がるスタイリッシュな空間は、夫妻がこれまでの暮らしで培ってきた美意識から生まれた、まさにラグジュアリーを具現化している住まいです。 【写真で眺める】建築家のラグジュアリーな終の棲家を拝見!集合住宅のペントハウス
眺望とプライバシーを得た最上階に広がる邸宅
遠くには高層建築物が立ち並び、都市特有の借景が広がる敷地。建築家の野生司義光さんが、ここに自邸を含む集合住宅を最初に設計したのは40年ほど前。それから年月を経て、再び同じ場所に自邸を設計することにしたのが、今から約7年前のことでした。 「終の棲家となるような新築の家に住みたいという妻からの希望もあり、改めて自分たちの住まいを設計することにしました」と野生司さん。今回も集合住宅のペントハウスが自邸となっています。
300㎡超のワンフロアにLDKを含む母屋と離れがあり、その周りをテラスが取り囲みます。母屋と離れの間には水盤や植栽を設け、朝から夜まで多彩に表情を変える街の景色と共に、移りゆく自然も感じることができます。 「子供が独立し、夫婦だけになったからとコンパクトにするのではなく、ゆったりと広い空間で過ごしたいと思いました」と野生司さんもいうように、LDKが一体化し、外のテラスとも連続性が感じられる大空間は動線もシンプルで機能的です。
さらにこの住まいに「邸宅」としての趣を生み出しているのが、離れの存在です。これまで世界の名建築を実際に観る旅を続けてきた野生司さん夫妻にとって、特に印象深かったのが、アメリカで出合ったフィリップ・ジョンソンの自邸「グラスハウス」やミース・ファン・デル・ローエの「ファンズワース邸」。どちらもガラス箱のような外観が特徴的な住宅ですが、この離れをそれらのオマージュのようなつくりにしてみては、という奥さまからの提案で計画が進められました。