カナダで復調したかに見えたアストンマーティン、コースとの相性が良かった?「バルセロナとかではもっとキツいだろう」
F1第9戦カナダGPでは、ここ数戦パフォーマンスを見せられていなかったアストンマーティンが予選・決勝ともにトップ10に入り、最終的にはフェルナンド・アロンソが6位、ランス・ストロールが7位。2台で獲得したポイントの数は今季最多であった。 【F1コンストラクターズランキング 一覧】 開幕からトップ5チームの一角に名を連ねていたアストンマーティンだったが、特に第6戦のマイアミ以降はポイント獲得もままならないようなレースが続き、3レースで4ポイントしか加算できず。むしろ中団チームにカテゴライズされていたRBに押されるような形となっていた。 しかし今回のカナダGPでは、コンディションが刻々と変わる難しいレースながらアロンソが6位に入った他、予選では角田裕毅(RB)の後塵を排したストロールも、決勝レースではコース上で角田をオーバーテイクして7位入賞。コンストラクターズランキング5番手の座をさらに強固なものとした。 しかしながら、モントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットは直線(ないし緩やかなコーナー)をシケインで繋いだようなレイアウトであり、アストンマーティンAMR24の抱えるトリッキーなハンドリング特性やバランスの悪さといった問題が出にくかったと見ることもできる。そのためアストンマーティンとしては、今後訪れるバルセロナやシルバーストンといったヨーロッパの典型的なサーキットで戦うまでは、問題が解決したと先走りしたくないようだ。 アストンマーティンのチーム代表であるマイク・クラックは次のように語った。 「我々が全てを理解したと言うには時期尚早だ」 「まだやるべきことがたくさんある。しかし当然、今週末は正しい方向に進むことができたと言える」 「これからは異なる(タイプの)サーキットが続くので、我々はじっくりと腰を据えて、何がベストなパッケージかを見極める必要がある」 ストロールも、モントリオールは空力効率と低速コーナーでのパフォーマンスに依存するサーキットのため、今回の好調はサーキット特性によるものだという考えを示した。 「このコースは間違いなく僕たちに合っている」とストロールは言う。 「僕たちはストレートが速く、ダウンフォースは少ない。そして(空力)効率という点では良いので、DRSが効く。こういったことが全てカナダと合っているんだ」 「バルセロナやブダペストなど、長いコーナーが続くようなコースになると、このマシンはキツいかもしれない」 「今週末はずっとマシンの好調を活かすことができた。バルセロナはまったく違うタイプのサーキットで、そこで何ができるかだね。そうなりつつある(課題は解決しつつある)けど、一夜にして変わるものではないよ」 そしてアロンソはホームレースとなる次戦スペインGPで新たなアップデートがあることを予告。アストンのマシンがさらに好転することを期待している一方で、彼もバルセロナがチームにとってより難しいコースであることを恐れていた。 「基本的にはバルセロナよりモントリオールの方が良い。このコースの方が僕たちに合っていると思うけど、良いサプライズがあるかどうか楽しみだね」 「チームもバルセロナに向けて新しいものを取り入れようと懸命に努力しているから、楽しみな週末になる。また2台でポイントを獲得できるか、そこが今の注目点だね」 「マシンを理解するという点では、ここ数ヵ月は非常に生産的だったと思っているから、自信があるよ」
Filip Cleeren