「 女性下着売り場になんて行かない」LGBTQ当事者が本音を激白。企業がはき違える多様性の謎。目指す未来は「 みんな平等 」じゃない
「なんでもかんでも多様性でまとめる感じとか、ちょっと気持ち悪いなと当事者として思います。性自認という側面から見ればマイノリティであることは間違いないし、過剰に尊重されることに違和感を感じます。逆にマジョリティが排除されかねないことも往々にしてあると思うから」。 望さんは外科的な手術を受けている。 「かなりのお金をかけました。そのために働いてきたって感じですね。仕事はヘアメイクをしています。見た目が徐々に女性に近づくことで自信を持てるようになってきました。でも色々大変なこともあります…」。 女性に近づけても元々の骨格上、ファッションなどはユニセックスなものを選ぶことも多かったと話す望さん。しかし昨今、多様性の認知度が上がることでそれに対応したブランドも出てきてありがたいと話す。 「最近はトランスジェンダーに配慮したブランドも出てきてその点ではすごく嬉しいです。特に下着は女性用のものでは窮屈さがあるんです。昔よりもリーズナブルなものが増えてすごく助かります」。 基本的には通販で購入しているが、専門店を訪れることもあるそうだ。 「専門店以外は絶対行きません。いくら女性に近づいているとはいえ、やっぱり男性感はあるだろうし、もし自分が何から何まで本当の女性だったら、私みたいな人が下着売り場にいたらすごく怖い思うから。嫌な気持ちになる人がいるのは確実です。差別されているってことじゃなくて、これは人としての話。私の周りにいる当事者たちは、こういう感覚の人が多いです」。 望さんはトイレや銭湯についても細心の注意を払っていると話してくれた。【後編】ではさらにその辺りを深掘りしていく。 取材・文/橋本 千紗
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