柏原芳恵が豪華ゲストとしっとり振り返る、懐かしいあの頃… 目まぐるしい現代にこそ必要な大人のための番組たち
国内外を問わず流行が入り交じり、目まぐるしく情勢が変化する芸能界。派手に、スピーディに、華やかに…と進化していく世界は見ごたえこそあるものの、時々はゆっくり聞かせるタイプのバラエティが恋しくなることもある。お笑いでどっと盛り上げるのではなく、またステージの派手な演出でもなく、しっとりと昔話に聞き入っていたい。全国のJ:COMエリアで視聴可能な無料チャンネル「Jテレ」で放送中の「柏原芳恵の喫茶☆歌謡界」は、そんな大人にぴったりな番組だ。 【動画】「恋の季節」で知られる元ピンキーとキラーズの今陽子が、「柏原芳恵の喫茶☆歌謡界」で語るスター時代 ■懐かしのあの人としっとり当時を振り返る「柏原芳恵の喫茶☆歌謡界」 同番組は「ハロー・グッバイ」「春なのに」などで知られる柏原芳恵が、「喫茶☆歌謡界」のオーナーとしてさまざまなゲストから話を聞く落ち着いた大人のバラエティ。ゲストとしてやってくるのは歌謡曲を愛する歌手や著名人で、森田健作や由美かおる、工藤夕貴といった豪華な顔ぶれが多い。それぞれの代表曲や思い出の楽曲について、対面でじっくりと思い出を振り返りながら話し込むスタイルだ。 柏原は数々のスターを世に送り出した伝説の番組「スター誕生!」で、グランドチャンピオンとして華々しくデビュー。1980年にデビューしてからは日本テレビ音楽祭新人賞、日本歌謡大賞新人賞をはじめ、日本レコード大賞金賞の常連として華々しく活躍を残している。 80年代といえば中森明菜、松田聖子、掘ちえみ、森高千里、本田美奈子、小泉今日子…と名を挙げ始めればキリがないほど、アイドル大隆盛の時代。柏原はそのなかにあって美貌だけでなく、「春なのに」などバラードにしっとり感情を乗せる歌唱力を示したことで存在感を示していた。 そんな彼女がゲストを招き、駆け出し時代のエピソードから大活躍していた当時の裏話まで掘り下げる。また同番組には豪華ゲストによる歌唱コーナー、柏原自身が名曲を歌うパートも。番組はゲスト1人につき前後編で組み立てられることが多く、話も歌もじっくりと時間をかけて聞けるのがたまらない。 たとえば先日は元GAROの大野真澄を招き、GARO結成の秘話、さらに知られざるTHE ALFEEとの逸話を語ってくれた。まだ売れる前の高見沢俊彦と偶然原宿の飲み屋で一緒になり、飲もうよという話しかけた大野。しかし「あ、どうも」と低いテンションで返されたことで、大野は最初「なんかこいつ感じ悪いな。もっと普通にしゃべれりゃいいのにな」と思ったそう。 しかし実際は先輩相手に緊張していただけで、打ち解けていくと「良いやつ」ということがわかったと明かす。GAROの前座で演奏してくれたときのパフォーマンスを見て「なんかいいな。こいつら売れるんじゃないかな」と思ったそうだ。その勘が的中するかのごとく売れたTHE ALFEE。そのときは「最高に嬉しかったね。やっと売れてくれた」と、自分のこと以上に嬉しかったと当時を振り返っていた。 楽曲制作についてもアドバイスをしていたなど、数々の貴重なエピソードが聞けた大野回。歌唱パートでは名曲「学生街の喫茶店」、あおい輝彦に歌詞提供した「あなただけを」を年齢を感じさせない爽やかな声で歌い上げた。当時を知る人間にとっては、非常に贅沢な時間だ。 さらに柏原自身も、井上陽水の「つめたい部屋の世界地図」を熱唱。伸びやかな歌声とともに、終始穏やかで楽しい時間を締めくくった。 同番組はJテレにて毎週土曜夜10時から放送されており、12月7日(土)、14日(土)は、 もともとは俳優ではなく、アイドル歌手としてデビューした田中健をゲストに迎え、駆け出し時代の八代亜紀との想い出や、俳優になり立ての頃の中村雅俊や秋野大作とのエピソード、仲良し俳優「五人会」のメンバー、志垣太郎(故人)、松崎しげる、西田敏行(故人)、柴俊夫との裏話などを楽しく語る。 また、年の瀬も迫る12月21日(土)には「紅白歌合戦出場歌手SP」と題した回を放送予定。これまでの放送から「紅白歌合戦」に出場したことのあるゲスト回を振り返り、未公開映像を交えて歌とトークを楽しむスペシャル回となっている。 ■まだまだ見逃せないJテレの人気番組 「柏原芳恵の喫茶☆歌謡界」を放映するJテレは、落ち着いた大人のためのラインナップがそろっている放送局。同番組以外にも、知識欲が刺激される「泉秀樹の歴史を歩く」(毎週火曜夜9時)は見逃せない。 泉秀樹といえば第5回「新潮新人賞」を受賞した小説「剥製博物館」のほか、「大いなる謎 北条早雲への旅-人生の真実とゆかりの地をたずねて」「水戸黄門の素顔 漫遊記の虚と実」といった歴史を追った著作で知られる。同番組では泉の“独断と偏見”によって、歴史上の人物の逸話や事件の裏側を読んでいく。 同番組は地域情報アプリ「ど・ろーかる」で過去回のアーカイブ配信をしているため、ふと気が向いたときにアクセスできるのもグッド。12月は新エピソードとして「前田利家」を取り扱っているが、そのほかにも12月10日(火)、17日(火)には「信長 王手をかけるまで」と題して誰もが知る織田信長の生涯を追う。 またJテレでは、12月14日(土)夜11時から「笑福亭鶴光のオールナイトニッポンTV」を放送。ラジオ「笑福亭鶴光のオールナイトニッポン」の放送開始から50周年という節目を迎えたことを祝して「オールナイトニッポン」パーソナリティを1980年代等に務めたデーモン閣下が登場。さらに視聴者参加型のプレゼント企画もおこなうという。いつも以上にパワーアップした、年末ならではのお楽しみ企画満載回だ。 Jテレは全国のJ:COMエリアで視聴可能な無料チャンネルで、J:COM対応の建物に住む人は誰でも無料で視聴可能。大分の「ケーブルコム」エリアでは視聴できないものの、映画、ドラマ、旅紀行グルメ、音楽といった大人のための上質なエンタテインメントを放送している。