岸田首相が解散を見送った理由は「東京で異変」があったから? 「政権与党離れ」の兆候 データで読み解く政治(2)
ただ、数十人が当選できる大選挙区制の区議選や、数人が当選できる中選挙区制の都議補選と、小選挙区制の衆院選とは事情が違う。一つの選挙区から1人しか当選しない選挙制度だからだ。加えて、有権者の判断基準も自治体選挙と国政選挙では全く異なる環境もある。 佐々木氏は、大田区の都議補選での維新を「善戦」と評価はするものの「次期衆院選の小選挙区で維新の候補が当選するほど、得票できるかどうかはまだ分からない」と慎重な見方を崩さない。 ▽東京の選挙は次期衆院選のリトマス試験紙となるか 今から14年前、2009年7月の東京都議選では民主党が大勝し、自民党が44年ぶりに第1党の座を失った。その直後の衆院選で民主党は政権交代を実現。現在の日本維新の会は、当時の民主党の勢いにはまだ及んでいない。それでも、東京の22区議選や大田区都議補選が、次期衆院選の「リトマス試験紙」になる可能性は、決して小さくない。
報道各社が6月に行った世論調査では、岸田内閣の支持率が軒並み下落した。前回調査より3~15ポイント低下。毎日新聞では、「支持」は33%で、前回より12ポイント急落した。共同通信では「支持」が40・8%で6・2ポイント減り、「不支持」は5・7ポイント増の41・6%、衆院東京ブロックでの「支持」は37・0%と全国平均よりも低かった。朝日新聞の「支持」は前回より4ポイント下がって42%。主因はマイナンバーカードを巡るトラブルや、首相の秘書官を務めていた長男に関する報道とみられている。 岸田首相は来年9月の自民党総裁選の再選をにらみ、内閣改造・自民党役員人事の時期を探りつつ、今秋以降の解散戦略を練り直しているとされる。 だが、有権者の問題意識に応える政策を打ち出せなければ、内閣支持率が上向かず、東京の選挙のように政権与党離れが加速するのは間違いない。衆院解散も与党が有利な時期を選べず、追い込まれた形での見切り発車となりかねない。 ※データで読み解く政治(1)「旧統一教会と『接点あり』の議員、90%超が当選」はこちらから
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