「デジタルノマド」って何? 実践者が館山で講演(千葉県)
館山市の館山駅東口の交流施設「sPARK tateyama」で15日、「~旅のおはなし会~東欧107日間デジタルノマドの旅」と題した講演会が開かれた。この春、東欧を107日間、デジタルノマドとして旅をした館山市の行川志帆さんをゲストに、約20人が参加、働きながら旅をするということについて学んだ。 交流施設内でカレー屋を営む、同市の元地域おこし協力隊の北村亘さんが企画。北村さんは地域おこし協力隊卒業後も地域に残り、関係人口の創出に取り組んでいる。今回の講演会もその中の一つで、地域との交流を促進できるような場を提供しようと行われた。 デジタルノマドとは、国を転々としながらデジタル技術を駆使して場所に縛られず、旅をしながら仕事をする働き方。新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの企業がテレワークやリモートワークを導入。この働き方の変化により、場所や時間にとらわれない働き方が可能となり、注目されるようになった。 ヨーロッパが主な先進地で、国によってはリモートワークをしながら長期間滞在できる「デジタルノマドビザ」を発行し多くの旅行者を受け入れている。 日本国内でも、今年4月から、ビザなしで入国できる国・地域の国籍を持つ年収1000万円以上の外国人に対し、6カ月を滞在期間の上限に「デジタルノマド」ビザ制度を開始。デジタルノマドを呼び込む動きを活発化させている。 今回のゲストの行川さんもそのデジタルノマドの一人。2013年からハワイやカナダに長期滞在しながらフリーランスで翻訳の仕事をしている。19年に都内から館山に移住。移住後も場所に縛られない働き方を実践しており、今年の4月末~8月頭の107日間、ギリシャ、オーストリア、ブルガリアなど東欧10カ国を一人で旅した。 この日は、撮影した旅の写真を見せながら旅の思い出、旅行と仕事の両立の仕方などを紹介。また、ブルガリアのバンスコで行われた世界中のノマドワーカーが集まる「デジタルノマドフェス」といったイベントに参加した時の話などを来場者の前で講話した。行川さんの話に多くの人が興味深そうに耳を傾けていた。 同施設では、今後も毎回テーマを設けて地域の人らが定期的に交流する場所をつくっていきたいとしている。 (押本裕也)