Netflix『さよならのつづき』が今年を締めくくるにふさわしい傑作になったワケ。地上波ドラマにはない魅力とは? 解説
有村架純が主演を務めるNetflixドラマ『さよならのつづき』(全8話)の配信がスタートした。共演は坂口健太郎、生田斗真。脚本は、これまで数々の名作ドラマを手がけてきた岡田惠和。事故で恋人を失ったヒロインと、その恋人に命を救われた男の運命を描く本作の見どころを解説する。(文・小林久乃) 【写真】有村架純と坂口健太郎の演技が最高…貴重な未公開カットはこちら。『さよならのつづき』劇中カット一覧
“さよなら”から始まる物語
2024年のNetflixシリーズを締めくくる、ドラマ『さよならのつづき』の配信が始まった。主演は有村架純と坂口健太郎。オリジナル脚本を手掛けたのは、岡田惠和。あらすじはこうだ。 北海道のコーヒー製造会社で働く、菅原さえ子(有村架純)。プロポーズを受けたその日に最愛の恋人を交通事故で亡くすという事態に......。そう、この物語は“さよなら”から始まる。恋人のことを思いながら生活している最中、出会った大学職員の成瀬和正(坂口健太郎)に何か縁を感じる。お互いに事情を探るうちに、成瀬が恋人の心臓を移植された人物であると知る。 終始、登場人物が小さな悲しさを抱えているような、切ないラブストーリーだ。全8話で見逃して欲しくない、見どころを紹介していこう。
現在では珍しくなったハワイロケを敢行
Netflixシリーズの作品の特徴といえば(失礼ながら)、国内制作の作品ではなかなかお目にかかることのできない、豪華な撮影とキャスティング、スタッフィングが話題を呼ぶ。本作も例にもれず、撮影のスケールが壮大だ。 メインの撮影地は北海道の小樽市。観光都市で知られる土地なので、背景を見ているだけで「ああ、あそこか」と既視感を覚えるシーンも多々。さえ子が結婚後に住むはずだった家や、恋人の中町雄介(生田斗真)が経営していたカフェなども、実際に設営されたものだと聞く。 もう1箇所、物語のカギとなる撮影地はハワイだ。昨今、作品のロケはおろか、スチール撮影でもハワイで敢行されることは平成に比べると格段に少なくなった。ただそんな不景気の風潮はどこへやら。大自然のロケーションを贅沢に使い、空港シーンでの撮影には多くのエキストラが登場する。圧巻の風景もぜひ見逃さずに。