きっかけは『科捜研の女』…17年ぶり『レ・ミゼラブル』復帰の40歳俳優「役を意識して生活していた」
興味を持ち始めた体のケア「鍼で喉の調子がいい」
開幕まで約1か月。石井は稽古や他の仕事で多忙を極めている状況だが、オフの過ごし方を聞くと途端に口が重くなった。「趣味……趣味……本当にないんですよね」とつぶやき、しばらく困った表情で思案した。ひねり出した回答は「車の運転は好きです」。だが、その後に苦笑いを浮かべた。 「いや~、でも、『本当に趣味を見つけた方がいいよ』って共演者の方にも言われるんです。『話が面白くない、話が広がっていかないから』って(笑)」 ここからあれこれと挙げてくれたが、にわかに迷走した。 「映画見たり、服も好きなので、古着屋さんに行ったり。でも、アクティブというよりは歩いているだけです。キャンプもキツいですね。蚊に刺されたくないし、太陽もあんまり浴びたくないし……。一時期、サウナにハマっていましたけど、『仕事先のホテルにサウナがあったら行く』くらいで、わざわざ探してまでは行かないですね。こんなに趣味がないのはキツいですよね(笑)」 そんな中で、最近、興味を持つようになったのは体のケア。実はこれまでは、ケアを気にかけたことはなかったという。 「最近になって、マッサージのトレーナーさんが入る現場があって受けたんですけど、全然違ったんですよ。鍼(はり)も初めてやってみたら、喉もすごく調子が良くて。みなさん、メンテナンスデーとか設けていらっしゃいますけど、『そういうことだったのか』と納得しました。『重要なことだったんだな』と。今は少し体を大きくしようと思って、トレーニングをやったりはしています」 そんな石井が、これから挑戦したいことを明かした。 「ずっと硬い役をやっているので、ちょっとシュッとしているイメージがあるんですけど、その殻を壊していきたいです。自分の内面にあるもっと汚いものとか、見た目もですけど、『そういうところを崩していきたいな』と思います」 不惑の40歳。だが、石井は迷いながらも、守らず、自分の殻を破っていく覚悟でいる。 □石井一彰(いしい・かずあき) 1984年2月29日、東京都生まれ。学習院大経済学部経営学科卒。2006年に創設の東宝ミュージカルアカデミー第一期生。07年、ミュージカル『レ・ミゼラブル』でデビュー。その後、舞台を中心に活動し、『ミス・サイゴン』『太平洋序曲』『ロミオ&ジュリエット』などに出演。映像作品では、テレビ朝日系連続ドラマ『科捜研の女』にシーズン15(15年10月~16年3月)からレギュラー出演。179センチ。血液型A。 ※田崎竜太監督の「崎」の正式表記はたつさき 【公演概要】 ミュージカル『レ・ミゼラブル』 (プレビュー公演)24年12月16日(月)~12月19日(木) 東京・帝国劇場 24年12月20日(金)~25年2月7日(金) 東京・帝国劇場 25年3月2日(日)~3月28日(金) 大阪・梅田芸術劇場 25年4月6日(日)~4月30日(水) 福岡・博多座 25年5月9日(金)~5月15日(木) 長野・まつもと市民芸術館 25年5月25日(日)~6月2日(月) 北海道・札幌文化芸術劇場hitaru 25年6月12日(木)~6月16日(月) 群馬・高崎芸術劇場
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