岩屋外相、カリブ共同体14カ国と連携確認へ 対中念頭、14日会談
岩屋毅外相は14日、東京都内でカリブ共同体(カリコム)を構成する14カ国との外相会合を開く。カリコムのうち5カ国は台湾を主権国家として承認している国々で、共同声明には中国を念頭に「力による一方的な現状変更の試みを許さない」との文言が初めて盛り込まれる見通しだ。 カリコムとの外相会合は2021年以来で8回目。共同声明の発表は10年ぶりとなる。これに先立ち、石破茂首相は13日、カリコム諸国の外相らの表敬を国会内で受けた。首相は、国際秩序の維持に向けた連携を呼びかけた。 カリブ地域は「アメリカの裏庭」と呼ばれるが、中国は近年、域内での存在感を急速に増している。中国との貿易額は2000年以降の20年間で約15倍に増え、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を通じたインフラ投資も進む。日本は「民主主義の価値観を共有する台湾の国際的な存在感低下を防ぐのは、日本の安全保障にも意味がある」(政府関係者)として、同地域への支援を強化する方針だ。 また岩屋氏は13日、カリコムを構成するドミニカ国やハイチなどの外相と個別に外務省で会談した。ハイチは21年以降、ギャングの暴力が横行し、米国などへの不法移民の流入が懸念されている。岩屋氏は、ハイチの安定化に向け、警察車両の供与や国際機関を通じた食料配布などの人道支援を継続する方針を伝えた。【加藤明子】