「日経平均10万円!」の大風呂敷、「カリスマ投資家」の登場… 週刊誌やウェブメディアから読み取れる“相場の天井シグナル”【億り人投資家の考察】
相場サイクルのなかで、いまの相場がどのような位置にあるのかを知ることは、投資家にとって大切なことだ。億り人で専業投資家の「www9945氏」は、個人投資家ブログに書かれている内容や、週刊誌やウェブメディアで投資がどう取り上げられているかを見ることで、相場の状況を把握することができると考えている。いったいそこにはどのようなサインがあるのか。www9945氏の著書『年収300万円、掃除夫だった僕が7億円貯めた方法』(宝島社)より紹介する。 【解説】(7)まで来ると要注意 www9945氏が考える「週刊誌 株式天井の定義」
個人投資家ブログの読みどころ
空き時間の情報収集には携帯電話を使っていた。今はスマホやiPadが中心。食事中や電車での移動中、あるいはトイレ、さまざまな時間に取り出して、ポチポチといじっている。 何を見ているかというと、主に個人投資家のブログだ。ここ数年はX(ツイッター)がメインだ。2013年当時は登録しておいたブログに更新記事があると教えてくれる「はてなブックマーク」を使っていた。ここに登録しているブログ数は70~80くらいだった。 他の投資家のブログを見て、自分では気がつかなかった銘柄を見つけられることもあるが、個人投資家のブログには市場の空気感が新鮮にパッケージされている。 個人投資家の売買動向や資産を見ていると、市場の大まかな位置がわかるのだ。 【1】個人投資家のブログやSNSが大いに盛り上がっている 億を超えたという報告が増え、時には「会社を辞めて株に専念します」なんていうブロガーや、中には「銀行でローンを組んで投資に回そうかと思う」などという恐ろしい発想を書くツイートが出てくる。こうなるともう相場は過熱気味だ。 【2】SNSの更新頻度が目に見えて落ちてくる 「今日のパフォーマンス」の報告がない日が増え(大損をした日は更新への気力がわかないことも多い)、やがて「今週のパフォーマンス」になってしまう。この時期は高値圏からジリ下げする局面だ。 【3】ネタが切れる ジリ下げしていてもまだ高値圏にあると買える銘柄は少なく、一段高を期待してホールドしている銘柄も動かないから、ツイートや情報はネタ切れ。別の金融商品の話題や食べ物の話などが増えてくる。このときは急落に要注意だ。 【4】急落が訪れると、信用取引を活用していた人を中心に、放置されたSNSが目立つようになる 「諸事情により更新を休みます」といった告知がいつまでも最新記事となる。低迷相場の開始であり、配当狙い・優待狙いの好機の始まりだ。 【5】生き残ったインフルエンサーの話題が「どこで損切りすべきか」といった後ろ向きな話題が中心になる とくに現物のみで取引していた人が損切りを口にし始めたら懐がかなり痛んでいる証拠だ。市況はかなり冷え込む。 【6】「今月のパフォーマンス」すら更新されなくなる こうなると、大底が近い。 【7】消えていたインフルエンサーが少しずつ更新を再開する 反転上昇の始まりだ。ただ、この時点ではインフルエンサーの保有銘柄数が増えても、資産はさほど変わっていない。 【8】銘柄数の増加に資産の増加が追いついてくる 明確な反転シグナルだ。相場の動きも堅調になる。 【9】堅調から急騰になると、総資産も急増し、SNSの更新が頻繁に SNS自体の数も増え、見知らぬ相手からのDMが届くようになる。 そして【1】へと戻って行く。おおよそこんな循環だろう。更新していないSNSの更新再開も大切なシグナルだから、ブックマークからは消さずに、いつか再開する日を待ってそのまま放置している。