村田製作所4―9月期営業益13%増、AI関連けん引 円安で上積み
Ritsuko Shimizu [東京 1日 ロイター] - 村田製作所は1日、2024年4―9月期の連結営業利益(国際会計基準)が前年同期比13.9%増の1581億円になったと発表した。会社計画の1540億円を超えた。データセンターなどAI(人工知能)関連がけん引しているほか、為替円安も寄与した。 中島規巨社長は会見で「為替影響を考えると、決して喜べる決算にはなっていない。為替影響を除くとほぼ想定通りの売上高にとどまっている」と述べた。 AIサーバーを中心にコンピュータ向けの4―9月期の売上収益は前年同期比46.2%増加した。中島社長は「AIサーバーはまだ全体のサーバーの15%程度で黎明期。数年は2―3倍のペースで成長する」との見方を示した。 一方、電動化などのモビリティ分野は、欧米市場で想定を下回っているという。エンジンよりは需要が大きいものの、足元ではインフラの普及期にあたっており、緩やかな成長にとどまっているとみている。ただ、インフラの整備が整えば「中長期には必ず成長する市場」と位置付けた。 25年3月期の連結営業利益予想は前年比39.2%増の3000億円を据え置いた。IBESがまとめたアナリスト18人のコンセンサス予想の平均値は3307億円で、会社予想はこれを下回った。 中島社長は、EVを含めて自動車の生産台数が予想比下振れる一方で、AI関連が期初比上振れており、全体の業績見通しを変更していない、と説明した。 通期業績予想の前提為替レートは1ドル=145円。