「何もない日常」にある楽しみ 「定年後はこうすべき」メディアにあふれるアドバイス…必要なのは「情報に溺れない姿勢」
飯田さんの話を聞きながら、昨年末公開され大きな話題を集めた映画「PERFECT DAYS(パーフェクト・デイズ)」の主人公の生き方を思い出しました。場末に居を構え、淡々と流れる日々の中、古本屋で百円の文庫本を買ってじっくり読み、植物を育てることを楽しみ、銭湯帰りの安酒場で一杯のお酒に心から満たされる…。多くのシニア世代がこの映画に引きつけられたのは、そんな「何もない日常」にも居場所があるのではないかと感じたからかもしれません。
■藤木俊明 副業評論家。自分のペースで働き、適正な報酬と社会とのつながりを得ることで心身の健康を目指す「複業」を推奨。著書に『複業のはじめ方』(同文舘出版)など。