阪神との首位攻防戦を“足”で制しセ貯金独占の巨人はもうこのまま独走するのか?
「このまま続くとはまだ言い切れません。現段階では独走の“独”くらいじゃないでしょうか。ペナントレースは半分です。先はまだ長いんです。9連敗の広島にしてもこのまま落ちていくようなチームポテンシャルではありません。今はすべてが噛み合わない状態になっていますが、何かのきっかけがあれば、また5月の11連勝のような状況を作る可能性もあるでしょう。横浜DeNAのチーム状態も上がっています」 巨人はまだ65試合を残している。 この日、4番の大山がチャンスに3三振した阪神は、メジャー75発の新外国人のソラーテを獲得しているし、他球団も逆襲のチャンスをうかがっている。 ただ里崎氏は「巨人が独走状態に入る分岐点がある」という。 「クライマックスシリーズ(CS)の唯一の弊害が、首位チームとのゲーム差が開き優勝の可能性が薄くなったとき、他のチームがCS出場狙いにシフトチェンジすることにあります。首位チームを止めようと他の5球団が一丸となってエースをぶつけるようなことをせず、CS争いの当該チームとの戦いに的を絞るようになってきます。すると首位チームは独走態勢に入ることになるのです。いつそのタイミングがやってくるのか。2位以下のチームがCS争いに戦い方を切り替えたときに巨人が本当の独走態勢に入ることになるのではないでしょうか」 2位以下のチームのゲーム差を見ると2位の阪神と3位の横浜DeNAが1、4位の広島も9連敗しながらも横浜DeNAとのゲーム差は0.5しかない。「お前騒動」で揺れた5位の中日も、3位の横浜DeNAとのゲーム差は3で、CS圏内をキープしている。巨人の貯金独占の影響で2位以下が団子状態となっているのである。 里崎氏が語るように、今は“打倒巨人”に他の5球団が一致団結し包囲網を作る時期だろう。それでもゲーム差が埋まらず、2位以下のチームの戦略がCS争いにシフトチェンジされる時、巨人の“天下”が固まるのかもしれない。