阪神との首位攻防戦を“足”で制しセ貯金独占の巨人はもうこのまま独走するのか?
巨人が8日、甲子園で行われた阪神との首位攻防戦に4-3で競り勝ち、ゲーム差を7.5に広げた。貯金は「15」となりセ・リーグの貯金を独り占めにし独走態勢を固めた。先発のエース菅野は好調とは言えない状態で3失点したが、自ら同点のタイムリー二塁打を放つなどチームの勝利に貢献。8回一死から岡本に代わって代走起用された増田大が“足”で防御率0点台を誇っていたジョンソンを攻略した。 「サインが出ればすぐに一発でスタートを切ろうと準備していた」という増田大を警戒したジョンソンの牽制が走者側に大きくそれた。二塁へ進んだ増田大は、さらに三盗を仕掛ける。 「外国人だったので、絶対チャンスがあると思った。1球目が大きなチャンスだと1球目から行った」 初球だった。 “神の足”と呼ばれた鈴木尚広・外野守備走塁コーチの薫陶を受けてきた増田大が1球目に走った。ジョンソンはまったくの無警戒でクイックもしなかった。しかも、カーブがワンバウンドになって難なく三塁を落とすと次の準備をしていた。 「ここしか点が入らないかなと。内野ゴロで絶対にホームに還ってやろうと強い気持ちでした」 陽のショート植田の左を襲う内野ゴロで増田大が完璧な「ゴロゴー」のスタート。前進守備の植田は逆シングルで処理しようとして打球を後ろに弾いたが、もし捕球できていたとしても本塁はセーフのタイミングだった。 そして、その裏には二死一、二塁から代打・上本のセンター前にふらっと上がった打球を丸が間一髪のスライディングキャッチ。超ファインプレーで1点を守りきった。 これで7月に入って6勝1敗。チーム得点384、打率.263、本塁打106の3部門でリーグトップ、チーム防御率3.64もリーグ3位で投打のバランスが整ってきた。 元千葉ロッテの里崎智也氏も、「巨人のチーム状態は非常にいいですね。投打のバランスがいいですし、打線にしても誰かが調子が悪いと他の誰かがカバーするという好循環が生まれていて、広島のように全員が揃って打てないという状況がありません。交流戦では坂本が打てなかったし、今も岡本の調子がよくありませんが、それがチーム成績に響かない。勝っている間に悪かった選手も調子を取り戻す。いい流れを作っています」と評価している。 4番の岡本は、ここ5試合で打率.143、打点ゼロと大不振で6日の横浜DeNA戦ではスタメンから外された。だが、そのスランプがチームの勝敗に影響を及ぼさない。 しかも、不安の残るブルペンの強化のため、新外国人のデラロサを補強し、日ハムとのトレードを仕掛けて藤岡、鍵谷を獲得、楽天からも先発、抑えの両方で使える古川を取った。シーズン後半戦を見据えて布石も打ってある。折り返し地点の目安となる球宴休みまで残り2試合。巨人は、このまま独走するのだろうか。 里崎氏は、巨人独走説には、まだ懐疑的だ。