『イッテQ』『それスノ』『何かオモ』がトップ3 7月クールレギュラーバラエティ注目度ランキング
怪談話から人生ドラマまでバラエティに富んだ企画展開
『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京)が7月クールでは、より一層幅広い視聴者を獲得した。前クール32位だったコア視聴層で5位、全体注目度では3位を記録し、今回一気にランキングを上げた。 4月クールで見せた男性注目度4位、女性注目度8位という幅広い支持を基盤に、さらに視聴者層を拡大。番組が持つ「他人の家への好奇心」を刺激する要素が、より多くの視聴者の心をつかんでいる。 7月14日の放送では、番組史上最恐とうたわれた呪物コレクターの家に密着。怪談師の田中俊行さんが所有する200体もの呪物が置かれた部屋は、視聴者の度肝を抜いた。特に、関西の介護施設にあった「チャーミー」人形をめぐる怪奇現象の数々は、深夜の放送時間帯にもかかわらず高い注目を集めた。ディレクターが呪物だらけの部屋で一夜を過ごすという、前代未聞の展開に、視聴者からは悲鳴にも似た反響が。怪談師としての田中さんの「世界の呪物を集めたい」という夢を追う姿勢も、視聴者の興味を引き付けた。視聴者からは「怖いけど見入ってしまう」「こんなリアルな心霊回は珍しい」といった声が寄せられ、夜の放送にふさわしいエピソードとして注目を集めた。 9月8日放送の「全国でガチロケ! 笑いと涙の人生ドラマ3時間半SP」では、全国各地で出会った様々な人生模様を丁寧に描き出した。青森では全国大会優勝経験を持つ女子ボクシング部員の新たな挑戦を、釧路では80歳女性の55年に及ぶ人生の軌跡を追いかけた。 特に印象的だったのは、胃がんを患う漫画家の妻の仕事部屋に初めて足を踏み入れる夫の姿。「妻が生きた証しを忘れたくない」という言葉に、スタジオゲストの錦鯉・長谷川まさのりが思わず涙する場面は、多くの視聴者の心を揺さぶった。 怪談話から人生ドラマまで、バラエティに富んだ企画展開で、多くの視聴者を魅了した本番組。人生の機微や葛藤を赤裸々に描き出す番組の特性が、視聴者の共感を強く呼び、高い支持につながっているようだ。 ■コア視聴層で42位から12位に上昇 『ザ・ニンチドショー』(テレビ朝日)は、7月クールで注目度が急上昇し、特にコア視聴層での注目度が高まった。前クールではコア視聴層42位だったが、今期では12位まで上昇しており、内容がより若い視聴者層にも響くものになったことがうかがえる。10月には『THE 世代感』として番組をリニューアルし、新たなスタートを切るという発表も話題になり、今後の展開に注目が集まっている。 7月6日の放送では、10代・20代の若者に昔の映像を見せ、その驚きをクイズ形式で当てる企画が行われた。40年前の秋葉原の街並みを映した映像では、「〇〇な人がいない」「〇〇の看板が多い」といった今とは異なる風景に、昭和世代の高畑淳子も思わず驚くシーンが続出。さらに「どんでん返しCMクイズ」の第3弾では、最後まで何の宣伝か分からない古いCMを見て、商品を当てるという内容が好評だった。 また、パリ五輪を目前に控えた7月18日には「夏のオリンピック大逆転劇」をテーマにした3時間の特番が放送され、スポーツファンにとって見ごたえのある回となった。元五輪代表の有森裕子さんや内田篤人さん、狩野舞子さん、野村忠宏さんら、スポーツ界のレジェンドたちが五輪での「奇跡の逆転劇」を語り尽くした。名実況として語り継がれる「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!」が生まれた2004年の体操男子団体や、北島康介選手の北京五輪での逆転など、視聴者にとっても感動がよみがえる内容だった。 10月のリニューアル後は『THE 世代感』として、「今まで以上に“世代間の様々な違い”にフォーカスしてお届けします!」と予告されている同番組。懐かしいCMや昔の東京の風景映像を通して、幅広い世代が楽しめる工夫が凝らされ、家族みんなで楽しめる内容に一層パワーアップしていきそうだ。 MCの後藤輝基は、今回のリニューアルを「ハマチがブリになった。これが完成形です!」と宣言。今後の展開が大いに期待される。 ■ REVISIO 独自開発した人体認識センサー搭載の調査機器を一般家庭のテレビに設置し、「テレビの前にいる人は誰で、その人が画面をきちんと見ているか」がわかる視聴データを取得。広告主・広告会社・放送局など国内累計200社以上のクライアントに視聴分析サービスを提供している。本記事で使用した指標「注目度」は、テレビの前にいる人のうち、画面に視線を向けていた人の割合を表したもので、シーンにくぎづけになっている度合いを示す。
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