パラオ・ペリリュー島の遺骨収集を推進 厚労省、25年度予算増額
太平洋戦争で日米が激戦を繰り広げたパラオ・ペリリュー島にある日本兵の集団埋葬地で今月、新たに11柱が収容された。厚生労働省はパラオの遺骨収集事業について、戦後80年となる2025年度に予算を増額して調査を推進する。 【写真まとめ】パラオ・ペリリュー島での旧日本軍の戦車の発掘調査の様子 米軍の資料を基に約10年前に調査が始まったが難航し、23年に場所を特定した。遺骨が見つかったことから、厚労省が今年、集団埋葬地と判断した。米軍の資料には1086人が埋葬されたと記されている。 厚労省から遺骨収集事業の委託を受ける一般社団法人日本戦没者遺骨収集推進協会によると、今年9月に3柱の遺骨を収容していたが、今月の調査で新たに11柱を収容した。11柱のうち6柱を専門家が鑑定したところ、日本人の遺骨の可能性が高いと判定されたという。調査では、島南西部に埋没していた戦車からも遺骨が見つかった。 集団埋葬地では収容された遺骨のほとんどが担架に載せられた状態で見つかっており、今回の調査を含めてこれまでに19柱相当の遺骨が見つかっている。【井川加菜美】