僕のヒーローアカデミア・緑谷出久が語った「ヒーローの本質」がビジネスマンにもブッ刺さるワケ
今夏に惜しまれつつも、10年間の連載に幕を下ろした『僕のヒーローアカデミア』。今回は、通称「ヒロアカ」から学ぶビジネスで成果につながるステップを、『10x 同じ時間で10倍の成果を出す仕組み』の著者である名郷根修が解説します。(エグゼクティブコーチ/ハイパフォーマンス代表取締役 名郷根 修)※本稿はネタバレを含みます。TVアニメは現在も放映中です 【この記事の画像を見る】 ● 「最高のヒーロー」になりたい! 明確な目標が成長を加速させる 10年続いた大人気連載漫画、『僕のヒーローアカデミア』。通称「ヒロアカ」の舞台は、人口の約8割が「個性」と呼ばれる特別な能力を持つようになった超人社会です。主人公の緑谷出久(みどりやいずく、通称デク)は、生まれつき「無個性」でしたが、運命的に個性を獲得し、多くのヒーローを輩出した雄英高校ヒーロー科に進学。個性を悪用する「敵(ヴィラン)」を倒すべく成長していきます。 無個性のデクが、ヴィランを倒すほどの力を身につけるには、普通の学習ではとうてい不可能です。生まれた時から個性を持つエリートたちに追いつき、追い抜くためには、普通のやり方では達成できません。同じ時間で数倍の成果を出すメソッドが必要です。 その点、デクには個性がなくても、「最高のヒーローになりたい」という高い目標がありました。その明確なイメージがあったため、人を助ける行動を取ること自体は、難しくありませんでした。 作中のエピソードを紹介しましょう。デクが中学3年生の時です。同級生の爆豪勝己(ばくごうかつき)がヴィランに捕まってしまいます。大勢の野次馬はただ見ているだけでしたが、無個性のデクがひとり、助けようと飛びかかります。 デクは何もできず、結果的にはナンバーワン・ヒーローであるオールマイトに助けられて事なきを得ました。しかし、デクの行動がオールマイトの心を動かし、力を蓄積する特別な個性「ワン・フォー・オール(OFA)」を彼から受け継ぐことになるのです。 現在は過去の延長線上にありますが、未来は過去の延長線上にあるわけではありません。未来は現在とつながっており、両者をつなぐのは「セルフイメージ」です。デクのように、「なりたい自分」を強くイメージすることで、人生は自分の望む方向に動いていくのです。