【解説】“新トランプ”? 90分にわたる大演説 「“銃撃事件”のウラ側」「たっぷりの余裕」 バイデン大統領は…
鈴江キャスター 「全体で柔和な印象も受けましたけれども、そこには何か狙いがあったんでしょうか?」 近野解説委員 「推測されるのは、この“新トランプ”の定着と、“巧みな役割分担”がこれから起きるのではないかと。つまり、副大統領候補の若いバンス氏にこれまでの自分のような激しい口調だったり主張だったり、打ち出しというのは彼に任せる。自分自身は、これまでとは少し趣が異なる『包容力』だとか『落ち着き』だとか『余裕』だとか、こういうものをきちんと示して役割分担をしていくのではないかと。“ほえるトランプ”といういつものあのモードではなく、むしろ今回はとにかく堂々と、ゆったり見えることを心がけたように見えました」 鈴江キャスター 「見えました」 近野解説委員 「演説の中身でもトランプ氏は、『私を支持していない人も支持してくれると思う。アメリカンドリームという言葉もしばらく聞かないが取り戻したい。私は皆さんに未来についてわくわくしてもらいたいんだ』。できるだけポジティブな言葉遣いの発信を心がけていたようです。その上で、ここも重要なのですが、『アメリカの半分ではなくて、アメリカ全土、すべてのアメリカのための大統領になるため自分は立候補している』と社会全体の団結を訴えた。これらが4年間の実際の実績を踏まえた『風格』、これを感じさせていくことになれば、従来のトランプ支持層以外に中間層や無党派層にも訴求していく可能性があるわけです」 鈴江キャスター 「分断をこれまであおるような存在というイメージがありましたが、むしろ取り込んで、みんなを1つに団結させていこうとを打ち出したわけですね」 近野解説委員 「統率していこうと」
■バイデン氏 共和党大会の閉幕後に重大な決断との報道も
鈴江キャスター 「そして第3のポイント『バイデン大統領 撤退間近?』ということで、バイデン大統領には今、逆風がかなり吹いているという状況ですね」 近野解説委員 「さまざまなアメリカメディアの情報が事実だとすると、例えばオバマ元大統領、それからペロシ元下院議長、彼らはバイデン氏に最も近しい『盟友』と言える存在です。彼らが直接『やめろ』とは言っていないにしても、相当に踏み込んだ忠告を陰に日なたにやっている可能性が出ている。かなりわかりやすく状況を見ると、外堀を埋め始めているということがうかがえます。でも、バイデン大統領が実際に決断をするにあたってもう1人、影響力の大きい人。誰だと思いますか?」 鈴江キャスター 「ジル夫人ですか?」 近野解説委員 「そう、ジル夫人です。半世紀以上にわたって夫の政治生活を献身的に支えてきた。それから長男を病気で亡くしているんですね、若くして。最愛の息子を亡くした喪失感などを一緒に乗り越えてきた伴侶ですから、ジル夫人が『もうそろそろ潮時じゃない?』という形で促すことがもしあれば、その時こそ、バイデン大統領が決断するのではないかとみられています」 鈴江キャスター 「なるほど」 近野解説委員 「バイデン氏、共和党大会の閉幕後すぐに自分自身の決断について重大な発表を行う見込みだという、政治専門メディアの報道もありますので、本当に目が離せない状況です」