【解説】“新トランプ”? 90分にわたる大演説 「“銃撃事件”のウラ側」「たっぷりの余裕」 バイデン大統領は…
「それから、自分の政権の時には安全保障面で、例えばウクライナ侵攻だとか、イスラエルの攻撃といったものは起きなかったということを豪語しまして、『私なら電話1本で戦争を止めることができる』とまで言いました。『この地球は今、第3次世界大戦の瀬戸際にあるんだ』と危機感を強調した上で…」 鈴江キャスター 「この言葉はどきっとしますよね」 近野解説委員 「その一方で、北朝鮮政策などについては、一期目の実績を引き合いに出しながら、『自分だったらうまくやるんだ』。自分がこれまでやってきた実績・方向性は間違いないんだという自信を内政でも外交でも強調しました」
■“新トランプ”の定着と“巧みな役割分担”
鈴江キャスター 「政策の面ではそれほど大きな変化はなかったんですが、2つ目のポイント『余裕たっぷり “新トランプ”』。近野さんの目には何が“新”と映ったんでしょうか?」 近野解説委員 「その口ぶりと表現ぶり、振る舞いというのが、見ていた人は感じたと思いますが、かなり違いましたね」 鈴江キャスター 「たしかに印象が変わった感じがしました」 近野解説委員 「具体的には演説の前半、特に銃撃事件の状況を振り返ったくだりは特にそうでしたが、努めて冷静に、落ち着いて、ゆっくりと話す。今までありがちな、大声でがなり立てるということもあまりありませんでしたし、とにかく間をちゃんとちょっとずつ、しっかりと取って話をしていました。党大会最終日の演説まで初日から一貫して、今回のトランプ氏は“新トランプ”という姿を印象づけたと思います」 「特に自分が起訴されている4つの事件・裁判について、19日の演説の中では『民主党による魔女狩りなんだ』と批判した部分もあったんですが、そこでも声のトーンとしては抑制的にしゃべっていた。それから現政権、バイデン政権の各政策については、かなり時間を割いて批判はしていましたが、『バイデン大統領という名前は、19日は一度しか言わない』というふうに演説でもわざわざ断りを入れて、名指しで繰り返しバイデン大統領をののしることは抑制しました。過激な言葉というのは全体的に鳴りを潜めていた印象です」