日本株の重大欠陥に実は「大逆転のチャンス」が眠っていた…!プロの検証でついに明らかになる「珠玉の“逆張り銘柄”30」を一挙公開する!
保守的な企業ほど「株価はマイナス」
では、実際にコンセンサスに対して保守的な予想を出した銘柄の株価は現在どのような状態になっているのかについても確認しておきたい。 下の図は、金融を除く東証上場銘柄のうちで会社予想およびコンセンサスが取得可能な銘柄について、営業利益基準での会社予想に対するコンセンサスのかい離率の高低の程度よって銘柄群を分割し、それぞれの決算発表日の前日から現在までの株価騰落率を平均したものである。 横軸の数字が大きいほど、会社予想よりコンセンサス予想の数字が大きい銘柄である(保守的である)ことを示している。 図:コンセンサスに対する会社予想のかい離率(営業利益)別 騰落率 この結果を見るかぎり、会社側が保守的であればあるほど株価の騰落率はマイナスとなり、逆に強気であるほど株価にはプラスの効果をもたらしていたことが分かる。 これはおそらく当然の結果であり、会社予想が市場予想を大きく下回ればいわゆる「ネガティブ・サプライズ」として株価の暴落を招き、その逆は「ポジティブ・サプライズ」として株価の急騰を演じさせることは株式市場にとっては誰もが知る真理だ。 それが数字としてそのまま銘柄の株価に反映されていたということだろう。意外にも、決算に絡んだ短期の株価の変動はシンプルに説明することが可能であるようだ。 では、こういった保守的な予想を出す企業は投資家から嫌われるために売りの対象となり、逆に強気の見通しを出す企業を積極的に買えばいいのだろうか。 結論を述べてしまうと、おそらくその答えは「NO」である。
狙い目は「弱気な企業×強気のアナリスト予想」
これまで述べてきたように、「企業側は保守的」と揶揄され、「アナリスト側は楽観的」過ぎると言われる以上、両者に意図的な過小評価、過大評価の要素が存在しているはずだ。それが織り込まれた状態が、現在の株価の位置だと考えることができる。 このアナリストの楽観性と企業の保守性の乖離が大きい銘柄は、今後の上方修正の圧力の大きさを表し、大きく売られた株価の反転上昇のポテンシャルとも考えることができるのだ。 その意味で、特に保守的な会社予想の公表によってネガティブ・サプライズで大きく売られたものの、コンセンサス予想が依然として高く保たれているような銘柄は、逆張り投資の観点で魅力的な投資対象のひとつと考えることができるだろう。 実際に、この乖離が大きかった銘柄の例として、日本高純度化学と三社電機製作所の株価を比較したものが、以下の図である。 図:日本高純度化学と三社電機製作所の決算発表後の株価の比較 両者ともに発表直後はネガティブ・サプライズに近い株価の動きであったが、日本高純度化学はいち早く反転上昇を見せ、決算発表前の水準にまで値を戻している。 三社電機製作所は依然低迷が続いているが、これはまだ保守的な会社見通しが十分株価に織り込まれきっていない状況を示していると思われるが、株価は底打ち感を見せており、そう遠くない将来に日本高純度化学のような反転上昇を見せてくれる可能性が高いかもしれない。 なぜなら、コンセンサスは現状も高いままで維持されているため、それが真に正しい予想ではないにしても、アナリストの視点では何かしらのポジティブ要素が時期に具現化されるという期待が維持されていることを意味するからだ。 つまり、これから狙うべきは、会社予想がコンセンサスよりも大幅に弱い予想を公表し、その時点から現在までに株価も大きく売られている状態の銘柄の逆張り戦術だろう。
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