自民党「石破首相」ぼろ負けのウラで…アメリカ大統領選、ハリスを制した《2期目のトランプ》が日本に与える「5つの無理難題」【完全予測】
激戦7州はすべてトランプ氏が僅差でリード
数的な裏づけで言うなら、勝敗を左右する7つの激戦州すべてでトランプ氏がリードしている点にも着目すべきだ。 〇激戦7州の支持率(10月21日 リアル・クリア・ポリティックス) アリゾナ州(選挙人11) トランプ氏49.1% ハリス氏47.3% ネバダ州(同6) トランプ氏47.6% ハリス氏46.9% ウィスコンシン州(同10) トランプ氏48.3% ハリス氏47.9% ミシガン州(同15) トランプ氏48.4% ハリス氏47.2% ペンシルベニア州(同19) トランプ氏47.9% ハリス氏47.1% ノースカロライナ州(同16)トランプ氏48.4% ハリス氏47.9% ジョージア州(同16) トランプ氏48.4% ハリス氏47.3% トランプ氏には、「おおっぴらにトランプ氏支持というのは恥ずかしい」という「隠れトランプ」の支持者がいるが、ハリス氏に「隠れハリス」はいない。そう考えれば、「全米レベルでは互角」という世論調査もあてにならない。 今回のアメリカ大統領選挙は、トランプ氏がわずかにリードを保ったまま、投開票日を迎えることになる。 日本や国際社会にとって懸念されるのは、「またトラ」になった場合、「2期目のトラ」は1期目よりも強気になると想定される点だ。 ただでさえ、トランプ氏が再選されれば、「パリ協定からの再離脱」、「不法移民への締め付け強化」、「中国からの輸入品をはじめすべての輸入品に高い関税」、「ウクライナ支援の見直し」、さらには「円高ドル安への転換」など、アメリカ第1主義にもとづくさまざまな変化が予想されている。 筆者などは、トランプ氏が、「中国からの輸入品に60%の関税をかける」などと語ってきた点や、ロシア、イスラエル、北朝鮮に対し、現在のバイデン政権よりも強くモノを言うであろう点を期待していたりもするのだが、再選で自信を深め、しかも今回が2期目で、3期目はないとなると、強気でディール(取引)を仕掛けてこないとも限らない。 「年齢を重ねて正気を失い、歯止めもなくなったトランプがどんな姿なのか見る必要はない」 これは、オバマ氏が、10月22日、遊説先のウィスコンシンで語った言葉だが、実に的を射ている。日本に対しても歯止めなく要求が来る恐れもある。 〇トランプ氏が対日政策で言い出しかねないこと ・沖縄をはじめ、日本はアメリカ軍が守ってやっているのだから、思いやり予算を増額しろ。 ・IPEF(インド太平洋経済枠組み)がアメリカ産業を空洞化させたから、脱退する。 ・日本はもっと脱炭素でコストを増やせ。 ・日本からの輸入品にも10%の関税を上乗せする。 ・日本製鉄によるUSスチール買収は認めない。 日本の外務省は、「もしトラ」で対策を進めていたのを「またトラ」に切り替え、真剣に対策を練り始めたばかりだ。石破首相が、ペルーのリマで開催されるAPEC首脳会議などに参加した後、アメリカに寄り、トランプ氏と会うプランまで計画中だ。 ただ、トランプ氏と蜜月関係を築いた安倍晋三元首相と石破首相とではキャラが違う。何より、石破首相がそこまでもつ保証もない。