【独自解説】混乱の韓国、最大の懸念は“もしミョン”?韓国検察、ユン大統領を内乱罪と職権乱用の疑いで捜査開始 今後の情勢を専門家警鐘「辞任が遅れてデモが拡大した場合は、旅行者も危なくなるかも」
■「これがクーデターだとすれば全くの手抜かり」44年前の戒厳令を体験した専門家が感じた、今回の“違和感”
Q.黒田さんは1980年の「光州事件」の非常戒厳宣言の際にも韓国にいたということですが、その時と今回を比べて、いかがですか? (神田外語大学客員教授・黒田勝弘氏) 「今回、全てテレビで中継されていました。テレビで中継される、ある種の大統領のクーデターというのは異例で、民主化された韓国で戒厳令も妙な話だなと思って、違和感を覚えました。戒厳令は、まず軍隊が国会を封鎖したり、メディアに部隊を派遣して統制したりするんですが、そういうのが一切なくて、これが戒厳令あるいはクーデターだとすれば、全くの手抜かり。これでよく何かしようとしたなという、そんな印象でした」 Q.1980年に起きた『光州事件』は軍隊が自国民に銃口を向けるという大変な事件でしたが、その事件が頭によぎった人や、国家の存亡を考えた若い人などが、命がけで国会まで行ったのでしょうか? (黒田氏) 「というよりは、韓国は徴兵制の国で、自分の家族も軍隊に行っているので、それだけ身近な存在です。そんな存在が政治的案件に利用されて、世論から多くの非難を受けるのは困るので、軍の在り方に対して敏感に反応するわけです」
■“もしトラ”ならぬ“もしミョン”に備えよ?ユン大統領、韓国、日本…それぞれの今後
『内乱罪』は国家権力を排除・国憲を乱す目的で暴動を起こした者を処罰する刑法で、指揮した者は死刑、無期懲役または5年以上の懲役もしくは禁錮。現職大統領も刑事訴追が可能で、不訴追特権の例外に当たります。 Q.今回、ユン大統領は内乱罪で逮捕・起訴されることはあるのでしょうか? (黒田氏) 「当然、あります。今回の騒ぎについて、海外のメディアは『大統領のセルフクーデター』と言ったり、僕は『自爆クーデター』という言い方をしていますけど、戒厳令を伴って軍隊を動員したわけですから、成功するとヒーローになりますけど、失敗すると、これは反逆・反乱です。最終的には法廷に立たされて、投獄という流れではないでしょうか」 Q.民主主義が根付いた韓国で、軍隊が大統領の一都合で出ていくというのは、国際的に見ても、韓国の人から見ても、「時代遅れも甚だしい」という考えの人が多いですか? (黒田氏) 「そうです。僕もそう思いましたし、しかも勝算がないです。野党を何とかしたいからといって、それを戒厳令で封じ込めるのはあり得ないし、成功しません」 Q.現実路線としては、今後の韓国の国政は誰が担うのでしょうか?また、大統領選は、いつ行われるのでしょうか? (黒田氏) 「大統領が辞めた後、首相が代行した例は過去に多くあるので、首相が一定期間代行することは、十分あり得ます。ただ、与野党が一定程度同意しないと難しいので、それがどうなるかです。ユン大統領が辞めるのは間違いないので、大統領選は2025年3月ぐらいにはあるのではないでしょうか」 Q.観光客が行くような場所では、デモなどは起きていないのでしょうか? (黒田氏) 「現時点では、デモや集会や衝突が起きているのは、国会周辺です。明洞を始め観光スポットやソウルの中心街には何もないので、平常です。僕もご飯を食べに行っています。ただ、今後辞任が遅れて、世論に不満が溜まってデモが拡大した場合は、旅行者も危なくなるかもしれません」 Q.今後、日米韓あるいは日韓関係は、どうなっていくと思いますか? (黒田氏) 「それが最大の心配事です。アメリカではトランプ大統領が今回当選しましたが、もしトランプ氏が当選したら大変だということで、日本では“もしトラ”と言っていましたよね。今、僕は“もしミョン”だと言っています。もし、野党のイ・ジェミョン氏が大統領になったら日本は大変なことになるので、“もしミョン”に備えなければいけません。次の政権の流れは当然、野党です。与党は大失敗したわけですから、野党政権不可避という流れだと思いますので、日本との関係は厳しくなると懸念しています」 (「情報ライブ ミヤネ屋」2024年12月9日放送)
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