【なぜ国民民主は躍進し、斎藤知事は再選されたのか?】真の「ネット選挙元年」になった2024年
都市部から地方への波及も
ネット地盤を形作っているのは、地域コミュニティーに属さず、ネットのコミュニケーションや情報収集に割く時間が長い人──。この仮説が正しければ、これからさらに人口減少が進む日本で、リアル地盤は年々縮小する一方、ネット地盤は拡大していくだろう。今は都市部で顕著なネット選挙のうねりが、今後は地方にも波及していく可能性が高い。メディアシフトの波は、時間差で地方にも広がっていくからだ。 自民党や公明党、共産党など既成政党はそれぞれ地域コミュニティーに根ざした独自の支持基盤を培ってきた。しかし、従来と同じ方法で党勢を維持できるとは限らない。2024年が真の「ネット選挙元年」というのは、リアルな地盤をしのぐほどにネット地盤が台頭してきたことを意味する。
【Profile】
米重 克洋 JX通信社代表 1988年生まれ。大学在学中の2008年に報道ベンチャーのJX通信社を創業。世論調査の自動化技術やデータサイエンスを生かした選挙予測・分析に加え、テレビ局や新聞社、政府・自治体に対してAIを活用した事件・災害速報を配信する『FASTALERT』、600万DL超のニュース速報アプリ『NewsDigest』も手がける。著書に『シン・情報戦略 誰にも「脳」を支配されない 情報爆発時代のサバイブ術』(KADOKAWA)がある