井上尚弥との9月対戦”拒否”のグッドマン「私はギャンブラー。モンスターと戦うだけでなく、倒すため」
プロボクシングの世界4団体同級統一王者・井上尚弥(大橋)との対戦が有力視されていたIBF、WBO世界スーパンバンタム級(53・5キロ以下)1位のサム・グッドマン(オーストラリア)が29日(日本時間30日)、7月に試合を行う理由を語った。 【写真】ネリ戦後にリング上で対面したサム・グッドマン 老舗専門メディア「ザ・リング」によるとこの日、7月10日にオーストラリア・ウロンゴンでWBC8位のチャイノイ・ウォラウト(26)=タイ=と試合することを発表。公式会見で「7月にやるべき仕事があるが、その後はチャンスを待つつもりだ」と今回の試合の次戦で尚弥と戦うことを希望した。 東京ドームで6日に行われた尚弥とルイス・ネリ(メキシコ)戦後にモンスターからリングに招かれた。「クレイジーな体験だった。私たちはリングサイドに駆けつけて、彼に向かって叫び、最終的にはリングに上がった。私は彼を意識して注視し、彼も私を意識していた」。尚弥のラブコールに「是非やりましょう」と応え、9月に都内で戦うことが濃厚と思われていた。 尚弥の所属ジムの大橋秀行会長は「交渉の余地は残っている」とするが、グッドマンが7月に試合を行うことでわずか2か月後の9月に対戦することは事実上難しくなった。グッドマンは会見で「井上との対戦に向けて、最善の準備をするために活動的で、忙しくしていなければならない。井上と対戦する前に世界レベルでもう一度テストする必要があるんだ」と試合を挟む理由を説明した。 ウォラウトと戦うことはリスクを伴うと記事では伝えている。負ければ、尚弥との試合で得られるはずの100万ドル(約1億5700万円)の報酬が藻くずと消える可能性があるからだ。しかし、グッドマンは「10歳の時に億万長者になるためにこのスポーツを始めたわけではない。もちろん素晴らしいことだし、最後には報酬をもらいたいが、重要なのは世界タイトルを獲得するために最高の位置につけることだ」と説明。「私はギャンブラーだ。サイコロを振らなければならない。今回も全力を尽くすつもりだ」と述べた。 「これは私のチームが考えた計画です。私はチームを信頼しているし、彼らのやり方や計画も信頼しています。モンスターと戦うだけでなく、倒すために、最高の状態にすることが目的です。それが私たちのやるべきことなのです」。尚弥との対戦が目的ではなく、勝つための準備としてウォラウトと試合をする必要があるとした。 「これがモンスターと戦う前の最後の試合になる。この試合の後も、そして今も、すべての行動が世界タイトル獲得に向けたものだ。ウォラウトはただの障害物に過ぎない。失敗は許されない」と尚弥と戦うための序章として、まずは7月の試合に全力を注ぐという。 「ザ・リング」によるとウォラウトは決して知名度はないが、ムエタイで200戦以上を戦い、格闘技一家の出身。タイの選手はタフで屈強な戦士を輩出し、たびたび番狂わせを起こしていると紹介している。「彼は信頼できる対戦相手だ。世界ランキングに名を連ね、無敗なのも当然だ」。グッドマンは相手を警戒しながらも「最初は少し様子を見なければならないかもしれないが、私が見た限りでは、この男に十分対処できる力は十分にある」と勝って、無敗のまま尚弥との試合に向かう自信を見せた。 戦績は尚弥が27戦全勝(24KO)、グッドマンが18戦全勝(8KO)、ウォラウトが25勝1分け。
報知新聞社