セレブはリノベのどこにお金をかけるの?ハリウッド風インテリアのつくり方をプロが詳しく伝授!
タマラ・ハニーは、南カリフォルニアを拠点とするハウス・オブ・ハニーの代表でクリエイティブ・ディレクター。ある日、彼女にぴったりの仕事が舞い込んできました。それはウエスト・ハリウッドに立つ3階建ての邸宅のリノベーションとインテリアデザイン。ビューティー業界で働き、ニューヨークから越してきたクライアントは、「土曜日の夜にはパーティを開き、日曜の朝はのんびりと過ごせるような」住まいを望んでいました。「クライアントとの最初の打ち合わせでは、私たちの担当範囲はインテリアデザインのみでした」とタマラは振り返ります。「けれど、お互いのことを知るにつれ、ルーフトップの改修が付け加えられ、次にキッチンをつくり直すことが決まりました。結果として、家のあらゆるもの、それこそティースプーンからプールに浮かべるフロート、それから犬用にカスタマイズしたベッドまでデザインすることになったのです」 【写真集】ハリウッドのグラマラスな邸宅のインテリア
ロサンゼルス界隈の家をデザインする際のお約束は、何より先にその空間の雰囲気を決めてしまうこと。「この建物やクライアントが放つエネルギーを、形にしていきました」とタマラ。こうして、フェミニンでエレガント、現代的、心地よさを感じさせるムードボードができ上がり、その空気感を反映したファブリックやカラーパレットが選ばれました。「私たちが好きなのは、ゴージャスでフェミニンな輝き。古きよきハリウッドの魅力もインスピレーション源としました」とタマラはいい、続けます。「こうしたビジョンのもと、この地域で活躍する業者やアーティストたちに声をかけていきました」 そのビジョンを具現化したのが、2色のベルベッドを用いたソファやネオンのアートワーク、それから数々のディスコボール。タマラは、これらを駆使して4つのベッドルームを備える住まいを、パーティ会場を思わせるような空間に仕立て上げたのです。 彼女は今回のクライアントをこう描写します。「彼女の視点は、洗練されていて上品。アレキサンダー・マックイーンとジーン・ハーロウを自身のスタイルの参考にしていたりね。それから、自分のやることに自信をもっていて、リスクを恐れません」。 こうした"リスク"とはつまり、カスタムメイドの大理石製の取っ手や、ネックレスをイメージしてデザインした球型のペンダントライト、それから懐かしさを感じさせる格天井のこと。こうした要素は、建築のディテールと調和し、その個性をより強く際立たせています。 「内装自体はクリーンでシンプルなラインが特徴的。まるで真っ白なキャンバスです」とタマラ。それは、大理石を多用したヨーロッパのスパを思わせるバスルームや白みがかった幅広の木板を採用した床面にも現れています。 目指したのは、足を踏み入れるたびに幸福感が呼び起こされるような家。「ホリデーの華やぎや温かさを瞬く間に感じさせるような空間にしたいと思いました。それから、ユーモアにあふれ、洗練されているのに気を使わせない、そんなクライアントの人柄を反映させたかったんです」。そしてタマラはこう続けます。「とにかく、夢のようなプロジェクトでした」 そんなプロジェクトの完成形を見ていきましょう。