“痛くない”インフルエンザ予防接種が登場! 子どももいるし接種したいのですが、これまでの注射同様に自治体の助成は受けられますか?
1年のうち、特に冬の時期は「インフルエンザ」が流行します。お子さんにインフルエンザの予防接種を毎年受けさせている、という家庭も多いでしょう。しかし、インフルエンザの予防接種は皮下注射なので基本的には痛みがあり、嫌がるお子さんを病院に連れていくのはひと苦労です。 実は、“痛くない”接種法のインフルエンザワクチンが登場したことをご存じでしょうか。どのようなものなのか、これまでの注射同様に助成が受けられるのか、確認してみましょう。
“痛くない”インフルエンザの予防接種とは
“痛くない”方法で接種するインフルエンザワクチンとは、経鼻弱毒性生インフルエンザワクチン「フルミスト点鼻薬」です。令和5年3月に厚生労働省に承認され、令和6年10月から接種できるようになりました。 痛くないのは、その名のとおり、鼻腔内に弱毒化されたワクチンを吹き付ける接種方法だからです。従来とは違い、針を刺す必要がありません。 さらに、接種回数についても、従来のものは2回の接種が必要ですが、フルミスト点鼻薬は1回の接種で済みます。この接種回数の違いは、従来のワクチンは不活性化ワクチンであり、フルミスト点鼻薬は弱毒化した生ワクチンであることによります。 不活性化ワクチンによる予防接種は、ウイルスを不活性化し接種します。病原性のない抗原に免疫が反応することで、ウイルスに対する防御能を獲得しますが、1回の接種では免疫効果が弱いのです。 それに対し、弱毒性生ワクチンによる予防接種は、弱毒化により病原性を低くした病原体により軽く感染し免疫を作る仕組みです。そのため、効果が大きく約1年続きますが、本来の病原性が復帰してしまって症状が出てしまうことや、変異する可能性もあることに注意が必要です。
気になる接種費用と、自治体の助成は?
接種費用について、従来のワクチンは1回につき3000~5000円ほど、フルミスト点鼻薬は1回につき7000~1万1000円ほどと、医療機関によって異なります。詳しくは、医療機関におたずねください。 また、自治体の助成があるのか気になるところですが、小児のインフルエンザ予防接種費用を助成している自治体では、フルミストについても従来のインフルエンザワクチン同様、助成をしています。 助成額は自治体により異なりますが、1回の接種につき1000~2000円ほどです。