モデルYより安い新グレード 日産アリアへ英国試乗 価格競争力を強化 本来の魅力は変わらず
魅力は変わらず EVへの乗り換えを受け止める
ステアリングホイールは驚くほど軽く回せるが、反応は正確で予想しやすい。コーナーへ積極的に飛び込むと、アリアが大きく重いクロスオーバーだと実感する。サスペンションも柔らかい。とはいえ、日常的な速度域では運転しやすいと感じるはず。 グレートブリテン島らしい、管理の悪いアスファルトを走らせると、乗り心地の落ち着きが削がれ、乗員が少し揺さぶられることも。高速道路なら、しっとり安定している。風切り音やタイヤの転がり音は、良く遮断されているようだ。 インテリアで低コスト化を感じるとはいえ、アリアが備える本来の魅力は、新しいエントリーグレードでも変わらない。4万ポンド(約768万円)以下という設定は、英国ではテスラ・モデルYやアイオニック5を下回るお手頃さだ。 クラスベストの完成度ではなくても、独自性はしっかり備わる。乗り心地も快適。現行のキャシュカイ(旧デュアリス)などからバッテリーEVへの乗り換えを検討する人を、アリアのエンゲージ・グレードは充分受け止められるように思う。 ◯:開放的で上質なインテリア リニアで洗練されたパワートレイン 車内空間と航続距離 エントリーグレードの価格価値 △:前席側の頭上空間がやや限定的 不安定さが現れる乗り心地 トップグレードの価格価値
日産アリア 63KWH エンゲージ(英国仕様)のスペック
英国価格:3万9645ポンド(約761万円) 全長:4595mm 全幅:1850mm 全高:1660mm 最高速度:161km/h 0-100km/h加速:7.5秒 航続距離:403km 電費:5.6-6.4km/kWh CO2排出量:- 車両重量:1907kg パワートレイン:励磁同期モーター 駆動用バッテリー:63.0kWh 急速充電能力:-kW 最高出力:218ps 最大トルク:30.4kg-m ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)
サム・フィリップス(執筆) 中嶋健治(翻訳)