戸田恵子さん「50歳になった時に、40代の過ごし方が活かされているなと感じたんです」|STORY
舞台と声優の仕事をメインにしてきた戸田さんが、テレビドラマでも活躍するようになったのは40代から。母の介護も重なって多忙を極めた40代の経験は、その後にどう繋がっているのでしょう? インタビュー後編では、50代以降を振り返ります。
50歳を機に始めたボランティア活動
「40代の頃は忙しすぎてわからなかったんですが、50歳になった時に、40代の過ごし方が活かされているなと感じたんです。目まぐるしい毎日ではあったけど、一つひとつのことに集中して、頑張ってやってきて本当によかったなって。いわゆる芸能界って、印象に残る仕事をしないと次に繋がらない世界で、しかも、どこで評価していただいているのかがわかりにくい。そんな中で、同じ監督にまた呼んでもらえたりすると、“前の仕事でOKラインを出せたのかな、よかった”って、本当にありがたい気持ちになります。一つひとつのことを丁寧に一生懸命やる。自分にはやっぱりそれしかないと改めて感じました」 そんな40代の日々は、戸田さんのキャパシティも広げたようです。50歳になって時間に少し余裕ができたと感じた戸田さんは、ボランティア活動を始めました。 「40代の頃はもういっぱいいっぱいで、そんなことを考える余裕もありませんでした。でも、50歳を前に母が亡くなって、心にぽっかり穴が開いたような状態になった時、今なら時間と使えるお金が少しあるなと思って、ボランティアを二つ始めたんです。一つは、キネコ国際映画祭という子どものための映画祭の支援。もう一つは、LOVE JUNX(ラブジャンクス)というダウン症のある子どもたちのためのエンターテインメントスクールの応援で、私がプロデュースしているブランドの収益の一部を充てたり、オリジナルグッズを作ってプレゼントしたりしています。発表会が年に1回あるんですけど、ダンスだけじゃなく、お芝居にも取り組んでいて、観に行くと毎回こっちが元気をもらうんですよ。一般の方にも目を向けてもらえたらなと思っています」 その二つのボランティア活動は今も継続中です 「本当に地味な活動ではあるんですけど、ご縁があったところを自分にできる範囲でずっと応援させてもらっています。私は、“続ける”ということに関しては、わりと真面目というか、ご縁みたいなものを大切にしているほうかもしれないです。お店にしても、結構長く通っているところばかりで。そういうところは堅実なのかな。もっといい店があるかも……と思うこともあるけど、何かこう申し訳ない気がして、やっぱり同じ店に行ってしまうんですよね(笑)」