尾上菊五郎「どう面白くしようかと今、作ってる」国立劇場主催公演取材会 再整備問題にも言及
尾上菊五郎(82)が9日、都内で、国立劇場主催の初春歌舞伎公演「彦山権現誓助剣」の取材会に、坂東彦三郎(48)尾上菊之助(47)中村時蔵(37)とともに出席した。 同演目は「杉坂」「毛谷村」の場が知られ何度も上演されているが、物語の発端からあだ討ちまでの完全上演は58年ぶりとなる。 真柴久吉をつとめる菊五郎は「通しは原作を大事にする、そういう気持ちです。大詰めで久吉がどうするかを今、作ってる。どう面白くしようかと。最後は孫たちが大勢出てまいります。みんなそれぞれに格好付けて名乗らせてみようかと思っています」と、尾上丑之助や尾上眞秀の見どころも期待させた。 また、役どころについて「最後に出る裁き役のような役で、気持ちよく終わらせようと思っています。まことにおめでたい、楽しい明るいお芝居です」と、初春らしい華やかな芝居になるとした。 昨年、国立劇場が再整備のためいったん閉場したが、建て替えのめどがたたないまま1年が経過した。菊五郎は「建て替えの委員なんですけど、耐震工事だけやればもっと使えるんじゃないか」と話し、菊之助も「国立劇場の前を通りかかると、早くここで芝居がやりたいと思う。今、一生懸命委員の方含め話し合いされている。待つ身ですが、声を上げて、早く国立劇場の舞台に立てるように働きかけていきたい」とした。