なぜスマホゲームにハマってしまうのか?「そりゃそうだ」と思える納得の理由
● 「やめられない止まらない」 ゲーム依存症まで一直線 ここまでの内容を整理します。 まず、同ゲームが象徴するように、スマホやタブレット端末でプレイできるゲームの多くは、やり始めると止まらなくなるような工夫がなされています。そのなかでも特に、容易に達成できるミッションと報酬を組み合わせるという手法は常套手段となっています。 また、再びゲームをさせるための仕掛けが見て取れます。仮に1時間に1度、スマホやタブレット端末を手にするユーザーであれば、その度に同ゲームの世界では新たなミッションが発生していたり、アイテムや花が入手可能になっていたり、バザーに出品していた魚や果物が売れていたりする可能性が非常に高いため、どうしてもゲームを起動したくなります。 現代人のなかには「スマホやタブレット端末が目に入る→スマホやタブレット端末を手に取ってしまう」という一連の行動が強力な習慣となっている人も多いですが、これがさらにバージョンアップして「スマホやタブレット端末が目に入る→スマホやタブレット端末を手に取ってしまう→報酬を期待してゲームを起動してしまう→ゲームをする手が止まらなくなる」という連鎖反応まで定着化すれば、ゲーム依存症まであと1歩です。 そんなあと1歩まで達した生徒たちの目の前に、授業中、自由に使えるタブレット端末があれば、ついついゲームをプレイしてしまい、さらに状況が悪化してしまうのは想像に難くありません。
● 社会的責任放棄の無対策ゲームが 蔓延する一方で意識高い企業もある 最後に、同ゲームを提供している任天堂は、ゲームがもたらすさまざまな問題について対策を取っていることも強調しておきます。 『どうぶつの森ポケットキャンプ』にしても、ニンテンドーアカウントの「みまもり設定」を利用することで、ゲーム内で課金をすれば即座に「みまもり中のアカウントでアプリからの購入がありました」と記されたメールが送信され、使用アプリ・購入金額・購入日時が分かるようになっています。 Switch版の『あつまれどうぶつの森』で搭載されていたチャット機能がなかったこともまた、ネット上のコミュニケーションから生じるトラブルを防ぐという目的があったのかもしれません。 また、『Nintendo みまもり Switch』というアプリでは、ゲーム(Switch)のプレイ時間やゲーム名の把握、ユーザー同士のコミュニケーションの制限、年齢に適さないゲームのプレイ禁止、ゲームの強制終了等が可能であり、ゲームにより生じるリスクを低減できます。 同アプリをかいくぐる裏技が存在するものの、何も対策を講じず無料ゲームを提供する企業とは異なり、ゲーム業界が果たすべき社会的責任と向き合っていると言えます。
物江 潤