なぜスマホゲームにハマってしまうのか?「そりゃそうだ」と思える納得の理由
● 次々と報酬が舞い込むなかで ユーザーはのめり込んでいく その他にも、報酬を入手する方法はたくさんあります。特にプレイ開始間もない頃は、次から次へと報酬が舞い込んできますので、一度プレイすると止められなくなります。プレイ開始時は、ゲームを習慣化させるための大変重要な期間であるため、意図的に報酬を得られやすいよう調整しているのでしょう。 総じて、報酬が手に入るタイミングが大変に多いため、「あと少しで手に入る報酬」が常に存在しているような状況になり、プレイヤーは作業に追い立てられがちです。 仮に、動物たちが求める魚や果物を全て渡し作業が一段落しても、3時間に1回の頻度で動物たちが入れ替わるため、またしても「あと少しで手に入る報酬」がやってきます。半永久的にニンジンが目の前にぶら下がっているようなもので、プレイヤーたちは馬車馬のように作業を続けるのです。 動物たちから得られた報酬は、オブジェを作製するための原料として使えます。完成するまでの時間は1分から10時間超とバラバラであり、これがまた絶妙な働きをします。 1分や3分で作れるオブジェならば、その待ち時間は隙間時間と言えるほど短いものです。しかしそんな隙間時間にこなせるミッションがたくさんあるので、ただ待っているのではなくて、どうしてもミッションに駆り立てられがちです。
そのうち数分があっという間に経ちオブジェが完成すれば、また新しいオブジェの作製に取り掛かり……といったように、作業が延々と続くという、実に見事な仕組みが見て取れます。 1分の時間を惜しんで他の仕事に取り掛かる様子は、さながら企業戦士のようであり、傍から見れば娯楽なのか仕事なのかよく分からなくなります。 ● 忙しくても遊べるはずのゲームが より時間を奪っていくジレンマ こうしたプレイを要求されるものは「作業ゲー」と呼ばれ、無料ゲームの世界では広く見られます。考える暇を与えずゲームに没頭させることが可能な「作業ゲー」は、ユーザーの限られた可処分時間を獲得するのに適していると言えます。 また、なかには「放置ゲー」と呼ばれるジャンルのものもあり、その名のとおり、ある程度は操作せず「放置」していてもゲームが進むため「ながら作業」が可能で、効率よく時間を使いたいユーザーにとって歓迎される内容になっています。 「作業ゲー」「放置ゲー」ともに、忙しい現代社会・現代人にとって適合したものではありますが、もはや余暇を効率的に過ごしているというよりも、余暇が仕事になっているようにも感じるのは私だけでしょうか。余暇を自由気ままに過ごしているのではなく、余暇に追い立てられていると表現した方が正確なような気がします。