なぜスマホゲームにハマってしまうのか?「そりゃそうだ」と思える納得の理由
労働の主役は労働者自身のはずなのに、まるで何者かに支配されたかのように主体性を失い働くありように対し「労働疎外が生じている」と主張する論者がいます。 人間がコントロールできて当然のはずが、その逆が生じてしまい人間が蚊帳の外にいる(疎外されている)というわけです。 だとすれば、人間が主導権を握っている余暇活動のはずが、いつの間にか余暇活動(無料ゲームやSNS等)から支配されている令和の今は、「余暇疎外が生じている」とでも言えるでしょうか。 労働のみならず、つかの間の余暇の時間でさえ資本主義社会によってコントロールされ主体性を失ってしまうのですから、現代人は疲労が蓄積して当然です。 ● いったん休んだプレイヤーを 再びゲームに引き戻す仕掛け 短時間で完成するオブジェの製作が「作業ゲー」に組み込まれる一方、長い時間を要するオブジェについては、再びプレイヤーをゲームの世界に引き戻すタイマーの役割を果たします。 特定のオブジェが手に入ることで動物たちをキャンプ場に呼ぶことができ、ゲームが進むのですから、ついついまたゲームを作動してしまうのも無理はありません。 また、完成すればスマホやタブレット端末に通知が届くため、オブジェの作製を忘れていても問題なくスムーズにゲームの世界に戻ることができます。
その他、キャンプ場に併設されたガーデン、広場のお店、鉱山といった場所でもまた、これまで見てきたゲームの特徴や機能を確認できます。 たとえばガーデンでは花を育てることができますが、タネを植えてから収穫するまでには3~4時間かかるうえに、適宜水やりをしないと枯れるおそれがあるので、ここでもまた時間がカギを握っています。 花をたくさん育てれば家具やアイテムと交換できるため、理想のキャンプ場を作るためには花の栽培は欠かせない作業であると同時に、ゲームの世界に引き戻すタイマーとなっているわけです。その具体的な作業や報酬は違えども、広場のお店や鉱山での鉱石掘りも似たようなものです。 もちろん、オンラインゲームでお馴染みの、他ユーザーとの交流もあります。贈り物を交換しあったり、余っている魚や果物をバザーに出品したり、他ユーザーが開催するバザーで掘り出し物を探したりと、やることは山ほどあります。出品した物品は売れただろうか、新しい掘り出し物はないだろうかと頭に浮かべば、たちまちユーザーはゲームの世界に逆戻りすることでしょう。