結婚してからも「やっぱりお金の使い方が違い過ぎる」 資産築いた妻と浪費家の夫、すれ違いが激変
「自分たちで設計して建てるマイホームの理想を持っています」
ゆるFIRE生活に入る直前に、もう1つの決断も。同業者で知り合いだった会社員の夫との結婚だ。 これがまた、アクティブなちーさんらしい。夫は当時、車購入などいくつかのローンを抱えていた。「ローンのことは知っていて、夫に『私が返します。だから結婚をお願いします』と伝えたんです。逆プロポーズですね(笑)。夫は私の押しに負けたのかな(笑)。でも、夫の人間性が本当に好きで、結婚したいなと素直に思えたんです」。結婚式の費用もちーさんが捻出したという。ウエディング秘話にびっくりだ。 愛を誓った夫婦と言えど、根本的な価値観の違い、金銭感覚の違いは、大なり小なりあるものだ。そのギャップをどう埋めるか。そこは結婚生活の難しさでもある。 ちーさん夫婦の場合は、夫はもともと浪費家。外に飲みに行くのが好きで、貯金する習慣が身についていなかったという。 「結婚してからも『やっぱりお金の使い方が違い過ぎる』と感じました。最初は夫婦のお金は別々に分けていました。一緒にしてしまうと、私の収入まで使われて共倒れになってしまう恐れがあったからです。しかし、コロナ禍になって外に飲みに行けなくなり、家飲みがメインになりました。これが大きくて、夫もお金が貯まるようになったんです」 ちーさんの徹底した倹約ぶりに感化され、ミニマリストの生活スタイルに、夫も自然と近付いていく。 「給料日にマイナスになるかならないか。そんな金銭感覚だった夫が、人生で初めて100万円貯めて、通帳を見て感動していたんです。そこから資産を築く楽しさを知ったようです。それに、今は私が何か買おうとすると、『それ無駄じゃない?』と指摘してくれるほど、物を厳選するようになったんです」。夫の人生観も一変。夫婦で倹約家となったのだ。 投資に目覚めた夫。2人でまずは新NISAの効果的な運用を追求している。ちなみに、夫が投資しているのは、オール・カントリー(全世界株式の投資信託、通称オルカン)だという。「夫はオルカン一択ですね。もし投資を始めるとしたら、私も一番オススメです」。 現在はアプリを通して、夫婦で互いの口座や資産運用に関する必要な情報を共有している。夫婦とお金の考え方について、改めて「価値観が近いのであれば一緒にやった方がいいですし、全然違うのであれば別にした方がいいと思います。その夫婦に一番合ったスタイルを見つけることが大事ではないでしょうか」と話す。 夫婦共働きで仕事を続ける理由。ちーさんは「働く楽しさ、やりがい」を重視し、あくまでセミリタイアの形で、YouTube配信にこだわりを持ってクオリティーを高め、熱量を込めてブログ執筆に励んでいる。それに、将来の子育て費用を見据えており、大きな夢もある。 「自分たちで設計して建てるマイホームの理想を持っています。つい最近夫と話したのですが、将来の家族構成にもよりますが、夫も自営業になることで2人が自由に働けるようになったら、いつか1年の半分を海外で過ごすような二拠点生活も考えています」。確かな人生設計と家族一緒の夢を描きながら、“無駄遣いしない億万長者ライフ”を歩んでいく。
吉原知也