「これからもずっと一緒に守っていきたい」。カープ矢野雅哉が語る、名手・菊池涼介との二遊間
今シーズン、主にショートでスタメン出場のチャンスを掴み、菊池涼介との二遊間コンビを形成している矢野雅哉。自主トレをともにする名内野手から学んだこと、試合中の会話、そして守備にかける思いを語った。(全3回・第2回) 【写真】今やカープの内野に欠かせない存在となった矢野 ◆幸せを感じながら守る、名手・菊池との二遊間 ─矢野選手が、守備に臨む上で一番心掛けていることを聞かせてください。 「一番大事にしているのは、どんな打球に対しても全力でアウトにすることです。投手が必死に投げて打ち取った打球ですから、打球を待って中途半端なプレーでアウトにできないというのが、僕の中では一番嫌なことですし、投手にも申し訳ないので。頭の中は冷静になりながら、必死に守ることですね」 ─マツダ スタジアムでの守備は、内野手からすると難しいと聞きます。 「そうですね、難しいですけど、このグラウンドに慣れたら、他の球場が楽に感じると思っています。守っている選手は全員状況は一緒なので、あまり難しいという思いを持たずに守っています」 ─二遊間では、名手・菊池涼介選手とコンビを組まれています。 「プロ1年目のオフに自主トレをお願いしてから、僕がショートのレギュラーになって、菊池さんと一緒に守りたいという思いをずっと持っていました。それが実現しようとしている手前だと思うので、今二遊間を一緒に守れていることを幸せに感じていますし、これからもずっと菊池さんと一緒に守っていきたいと思っています」 ─菊池選手からアドバイスなどはあるのでしょうか? 「アウトになってもセーフになっても、僕から聞くことが多いですね。試合中でも、打者によってのポジショニングだったり、いろいろとアドバイスをいただくこともあります。たとえば、自分が思っている考えよりも『もう少し後ろに下がっていいよ』だとか、言っていただくこともありますし、僕としてはすごくやりやすいです。僕もしっかり考えて守っていますし、菊池さんから『守備に関しては言うことはない』と言っていただいていますが、アドバイスをもらうことで楽な気持ちになれていて、本当にありがたいですし、自信にもつながっています」 ─守備について、あえて課題を挙げるならばどのような点でしょうか。 「たくさんありますね。捕球ミスは少ないかもしれませんが、送球ミスが多いという自覚があります。このミスは自分の『やばい、間に合わない』という焦りから力んでしまって、自分の肩をコントロールできなくなっているんです。『焦ったときでも冷静に』と考えてプレーをしないと、安定感は出せないと感じています」 ─一方で、打撃について、ここまでの手応えはいかがでしょうか。 「打撃技術はどう変わっているか自分では分からない部分がありますが、考え方が明らかに昨季から変わりました。昨季までは早いカウントから『ボール球を振ってしまったら、どうしよう』と考える中で、甘い球が来てもファールになったり、見逃してしまったりすることが多くありました。今季は、甘い球が来ても『空振りでも何でも良い』という考えで振っていく中で、球を捉えることができていると思います。そういう思い切りの良さ、割り切りができていると思います」 (後編へ続く)
広島アスリートマガジン編集部