EVに改造した「スーパーセブン」の乗り心地は? 「日本一周」レポートドライバーが語る
2013年9月24日から11月18日にかけて、急速充電だけで日本一周を達成したEVスーパーセブン。旅のゴール後は青森県八戸市や北海道札幌市でのお披露目イベントを回っていたが、3月8日に東京・日本科学未来館で開催された「EV入門塾」で参加者に試乗(助手席同乗)してもらうために、久しぶりに東京に戻ってきた。 【動画】EVスーパーセブン 助手席からの視界は?
エンジン車のスーパーセブンとの比較
ベース車両はイギリス製のケータハム・スーパーセブン。今でもこのクラシカルでユニークなスタイリングのまま手作りで生産されているマニア垂涎のスポーツカーだ。本来はもちろんエンジン車。電気自動車EVに改造している。 エンジンのスーパーセブンの場合、ペダル下のフロアやセンターコンソールのパネルは、ヤケドしそうなほどに熱くなる。マフラーもむき出しでエンジン音は激しく、乗降時にはむき出しになっている焼けたマフラーにも注意する必要がある。もちろん運転は楽しい一方で、熱くてうるさいクルマなのである。 でも、EVスーパーセブンは電気自動車。マフラーやエンジンの熱はない。エンジン音もないので風や街の音がちゃんと聞こえるし、助手席との会話もスムーズだ。この日も、見慣れぬカタチのクルマを発見して歩道で歓声を上げる子供たちと会話を楽しみながら走ったりもした。
EV車ならではのメリット
さらに、低回転時のトルクが細く発進時のクラッチミートが難しいのもエンジンのスーパーセブンの特徴で、EVスーパーセブンはエンジン車のミッションをそのまま流用しているが、電気自動車のモーターはエンストしないから、クラッチは使わず発進可能。ゼロ回転からフラットにトルクが発揮されるので、スムーズでリニアな加速が簡単に楽しめる。ベース車両であるスーパーセブンが秘めたパッケージングの魅力を、音や熱といったストレスなしに楽しめるのが、EVスーパーセブンの素晴らしさといえるのだ。 視線が低くコンパクトな車体。エンジン音がなく、風を感じながら走る感覚は、自動車というより自転車に近いともいえる。日本一周の途中、奥入瀬渓谷や阿蘇山など、自然のパワーが満ちた場所を走る時には、エンジン車ではあり得ない自然との一体感に酔いしれた。