トランプ氏勝利に期待するプーチン・ネタニヤフ氏、ハリス氏を望むゼレンスキー氏…各国指導者の思惑は
■構える中国
中国の習近平(シージンピン)政権の内情に詳しい関係者によると中国政府は、予測不能なトランプ氏の返り咲きに備え、対応を協議している。
トランプ氏が公言する対中関税の引き上げが60%に達すれば中国経済にとって大打撃だ。中国産品を輸入する米企業からの反発も見越し、それを利用して通商協議に持ち込みたい考えだ。
安全保障面では、バイデン政権下で進められた同盟国との協力関係や対中包囲網が揺らぐとみている。トランプ氏は日本や韓国に対して駐留米軍の費用負担の増額を求める可能性がある。そうなれば日韓の切り崩しを図ることも予想される。
北朝鮮は、米大統領選で「誰が政権を握っても、米国という国家そのものを相手にする。国家の自衛権について誰とも交渉しない」(金星(キムソン)国連大使)と主張しており、結果にかかわらず核・ミサイル開発を進める構えを強調した。
金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記は2018年に史上初の米朝首脳会談を行ったトランプ氏との再交渉に期待しているとの見方がある。朝鮮中央通信は7月、「首脳間の個人的な親交関係」があったと言及していた。