品数が豊富にあってこそのお菓子 “絞らない”方針堅持する菓子卸の関口が販売網を拡大 4月に札幌支店開設
菓子卸の関口は4月、札幌支店(北海道石狩市)を開設し販売網を拡大する。 この拡大機運を菓子市場にも伝播させたいとの想いから、宮城県仙台市で3月13日開催した東北・春季見本市展示会では「拡」をテーマに掲げた。 展示会で取材に応じた関口快太郎社長は「会社の拡張を続けて行った先代のスタッフのように、フロンティアスピリットを持ち続けていくために、少し表立って拡大というところがあってもいい。新たに札幌支店を開設したのも北海道の菓子市場を開拓していくような気持ちを社員全員に持ってもらいたいという意図もある」と語る。 同社は、かねてから取引関係において“絞らない”方針を堅持。 「10年ほど前から“絞らない”を指標にしている。お客様はもちろんのこと商品も絞らない。“とにかくロングテールでやっていく”というのが会社の根底にあり、それに徹しているからこそ業績が安定しているのだと考えている」と述べる。 ネットで情報収集できる時代にあって、食品、特に菓子においては現場・現物が大事だと関口社長は指摘する。 メーカー・小売ともに、規模の大きさを問わず、幅広く案内しているのが関口の展示会の特徴。商品数が1品しかない単品メーカーとも取引きし、バラエティ豊かな売場づくりを可能としている。 「お菓子の売場づくりにおいても“絞らない”ことが大事。残念ながらメーカー様の中には経営が立ち行かなくなったところや、後継者がおられないところもあるが、そのようなメーカー様の商品もいろいろな形で残していかないといけない。我々のような地域卸が生き残れているのもメーカー様の多彩さに助けられているところがある」と説明する。 関口の展示会は、その場で取引につながる商談と直結した展示会として知られる。 その中で東北の展示会は、東北で唯一の専業卸の菓子展示会ということで好評を博し出展社数は増加傾向にある。 今回は、春季で過去最多となる109社(149コマ)の菓子・食品メーカーが出展。うち11社が初出展となる。