品数が豊富にあってこそのお菓子 “絞らない”方針堅持する菓子卸の関口が販売網を拡大 4月に札幌支店開設
この中で、能登半島地震で被災した金澤兼六製菓に対しては、2月に開催された関東エリア春季見本展示会に引き続き出展料をとらずにアピールの場を設けた。 「お菓子業界ならではの復興支援の仕方があるはず。観光などで現地にお金を落とすことだけでなく、他のエリアで現地商品を導入してもらい販売を後押しする効果があるはず。金澤兼六製菓様には、宣伝と販売の場に活用していただくことで復興に少しでも手助けさせていただきたい」という。 金澤兼六製菓では、パッケージに“がんばろう能登”のアテンションをあしらった「カナルチェ プレーンケーキ」「カナルチェ五郎島金時いもケーキ」「カナルチェ 金澤アールグレイケーキ」を前面に押し出してアピールしている。
関口の23年4月から24年2月までの今期累計売上高は前年同期比4.3%増。そのうち東北は6.6%増、関東が2%増の伸びをみせた。 東北が成長の牽引役となり、売上構成比は東北54%・関東46%。東北の菓子卸市場での関口の売上シェアは数ポイントアップ。「東北の売上高は130億円強に上り数ポイントずつシェアを拡大しているが、20%まではまだまだ先が長い」と気を引き締める。 東北の好調要因については「新規帳合を獲得できたことに加えて、メーカー様の値上げも奏功した。いろいろと話を聞くと、人の流れがだいぶ変わり活発化してきている話もあり、国内旅行需要の高まりも販売を押し上げている可能性がある」との見方を示す。 札幌支店を開設し足がかりを築いた北海道では、売上目標は立てず体制づくりに専念する。 「まずはJCCグループ商品をきちんとフォローして安定させることが第一。その後に、NB商品も増やしていく。口座は5社ある。ある程度独立してできる体制になるまでには少なくとも3年はかかる」とみている。 懸念材料としては営業のやり方や販売商品の違い、広大な北海道配送そのものを挙げる。 「地元の方にやっていただいたほうがより効果があがると考え、札幌支店でも全てのスタッフを現地採用とし、物流倉庫も現地の物流会社様にお願いした」と語る。 支店及び倉庫は八潮運輸石狩物流センターの一角を間借りするところからスタートする。