メルセデス・ベンツ、インドで小規模都市中心に販売網拡大へ
Aditi Shah [ニューデリー 9日 ロイター] - ドイツの自動車大手メルセデス・ベンツは今年、インドでディーラーの販売店舗やサービス拠点を20カ所ほど増やす計画だ。若い事業主が高級品に惜しみなくお金を使っている比較的規模が小さな都市を中心に販売網を拡大する。 インドでは急速な経済成長により、若い世代の間で高級品に対する考え方が抜本的に変わった。若い世代は、倹約と貯蓄に励んできた高齢世代とは習慣が異なっている。 メルセデス・ベンツ・インディアのサントシュ・アイヤー最高経営責任者(CEO)はロイターに「今は家業を引き継いだ第2世代、第3世代が海外で学び、帰国して、罪悪感なく消費できる。それは自動車に限らず、腕時計などの高級品にも言えることだ」と述べた。 こうした傾向を背景に、メルセデス・ベンツをはじめ海外の高級ブランドはニューデリーやムンバイなどの大都市以外への事業展開を検討している。メルセデス・ベンツは現在、インドで125店舗を展開している。 アイヤー氏は、インド中部のカーンプル(人口約300万人)や東部パトナ(約200万人)など比較的小さな都市では、最高級クラスの自動車や電気自動車(EV)の需要がエントリーレベルの車種を上回っていると話した。 同氏は、これらの都市でメルセデス・ベンツはサービス拠点を拡大していくと表明した。 同社の昨年の販売台数は前年比12%増の1万9500台となり、過去最高を更新した。 メルセデス・ベンツの販売は価格が17万5000ドル以上の最高級車種を中心に伸びており、インドでは現在、これらの車種が販売実績の約4分の1を占めている。その結果、同社のインドにおける平均販売価格は2023年の890万ルピーから24年には950万ルピー(11万0600ドル)に上昇した。