中小工務店の苦戦!この10年で倒産急増 円安とウッドショックで資材高騰…新規住宅着工の減少響く 好転の見通しは 富山
中小の住宅工務店の倒産が深刻です。従業員10人未満の住宅工務店の倒産が富山県内では過去10年で24件報告されました。物価高で個人消費が伸び悩み、買い控えが進むなかでの円安、コロナ、ロシアのウクライナ侵攻による資材の高騰で住宅価格が上昇し、新規着工の減少が響いているとみられます。特に体力もブランド力も乏しい零細の住宅工務店は苦戦を強いられています。好転の見通しはあるのでしょうか。 【写真を見る】中小工務店の苦戦!この10年で倒産急増 円安とウッドショックで資材高騰…新規住宅着工の減少響く 好転の見通しは 富山 帝国データバンク富山支店によりますと、全国の2023年の従業員10人未満の住宅工務店の倒産は226件で、ピークであった2013年の231件、2019年の227件に次ぐ厳しさとなっています。富山県内でも最も倒産が多かった2015年の5件に並んでいます。 一方で、2023年の富山県内の新規の住宅着工戸数は5034件で前年より444件減少するなど、2019年以降は減少傾向です。 ■大手と中小が限られたパイを取り合う… 競合が激化するなかで、体力やブランド力で大手に劣る中小、零細住宅工務店は採算性が低下、倒産に至るケースが増えているのです。 こうした状況について、帝国データバンク富山支店の大場正範課長は、中小、零細の工務店ほど熾烈な経営環境になっていると指摘します。 帝国データバンク富山支店 調査課長 大場正範さん:「物価の上昇に対して消費者所得が伸びが追いつかないなか、高額な住宅を購入できる世帯が減っていて、工務店の業界でも大手と中小が少ないパイを取り合っている状況です。他社との明確な差別化を打ち出せない、またはコストを価格に転嫁できず、低価格での訴求をとらざるを得ない企業は苦戦を強いられています」 ■住宅の購買意欲を高める方策はあるのか… 住宅価格の相場が下がらないうちは、購入できる層が限られる状態が続くとみられます。人口が減少していく中で、新規着工は改善の方向に進むのか、今後の見通しについてはどう見ているのでしょうか。 帝国データバンク富山支店 調査課長 大場正範さん:「住宅価格の低下が見えづらいなか、中小工務店の苦戦はしばらく続くとみています。一方で、徐々に見られはじめた企業側の賃上げが、より広まることで正常な経済成長とともに消費者の住宅に対する購入意欲が高まることに期待したいです」
チューリップテレビ