騒音クレームどうする? 元ホテルフロントマンが「ホテル側の配慮と思惑」を回想
部屋移動は容易ではない
結論から言うと、騒音クレームの対策・解決策は部屋移動が最も効果的でしょう。けれども、これがそう簡単ではありません。 宿泊者が少なくて空室が多い日なら融通も利きますが、問題は満室の日、または満室に近く逃がす移動先がない場合です。 ホテルは何かトラブルがある場合を想定して、一部屋またはそれ以上の予備部屋を確保しておく所もあります。 けれどもそれはホテルの方針によります。予備部屋を用意しないホテルもあります。なぜなら部屋が売上を作るからです。 宿泊施設は部屋数は決まっていて増やすことは出来ません。満室になるだろう日に部屋を空けておいては利益にならないからです。 騒音による返金要求に宿泊施設が応じるかはケースバイケースでしょう。ホテル側に責任があるか?ないか?にもよりますし、宿泊後なら宿泊自体のサービスは享受されているので全額返金は難しいと思いますが、一部返金やその他のサービス振替の可能性はあります。 交渉は理知的に行って下さい。 ■自衛も考えて欲しい 受忍限度を超える騒音はフロントに伝えていただくのはもちろんなのですが、正直、音のトラブルは運みたいなところもありますから、ホテル宿泊数が多い人や音に敏感な人は、対策として耳栓を用意しておくのもおすすめです。 100円ショップでも売っていますし、コンビニにもあります。 ホテルによっては騒音を相談すると耳栓をくれる所もあります。貸し出しの所もあるようですが、消毒されてるとはいえ私は嫌です。だったらコンビニに買いに行きます。 「なんでこっちがそこまでしないといけないのか?」 という気持ちは分かりますが、イライラしてストレスを感じるよりは有意義かもしれません。 眠れない、寝られないのはかなり辛いことです。せめて安眠は確保しようと考えましょう。 ■「ホテル裏話 | なぜ? みんなの疑問を元ホテルマンが暴露」◎元ホテル勤務の筆者がホテル経営の裏側を綴るブログ。ホテルにまつわるあらゆる雑学やエピソード、宿泊者が不思議に思うホテルの「なぜ?」にも答える。 (※本記事は筆者個人の勤務経験・体験にもとづくものであり、すべてのホテルに関する知見を網羅するものではない)
Forbes JAPAN 編集部