世界戦中止でファイトマネーはどうなる?挑戦者の2.9キロ体重超過でWBO王者田中恒成陣営を激怒させた舞台裏で何が起きていたのか…日本では前例のない決断の理由とは?
JBCの安河内剛本部事務局長は「おそらく日本では初めての珍しいケース。今回の判断はリスペクトしたい。もしかすると今後はこのような判断が主流になるのではないか」との見解を示した。 またJBCルールに従い、ロドリゲスには日本では1年間の出場停止のペナルティが科せられる。ここ最近、減量失敗が目立ち、JBCはプロボクシング協会との共催で医事講習会を開き、水抜き減量の問題点などを指摘したばかり。その中で主催者が、世界戦で計量ミス=中止を決めたことは、再発防止に向けての抑止力にもなる意味ある英断になった。 ただ主催者の立場からはリスクのある決定でもあった。今回の興行は、トリプル世界戦で、パウンド・フォー・パウンド10位と世界的評価の高いWBC世界バンタム級王者、中谷潤人(M.T)の指名試合や、那須川天心の世界4位のランカーとの注目試合などの豪華カードが揃い、約8000枚用意したチケットは完売、急遽、当日券の販売が取りやめになるほどの人気を博していたため、中止を決断できたという背景もあるが、数々の対応に追われた。 チケットにも記載されている約款では今回のケースでは払い戻しに応じる必要はない。だが、帝拳プロモーションを通じて購入された田中の応援団のチケットに関しては、特別に払い戻しに応じることが検討されるなどの問題も生じた。またロドリゲスへのファイトマネーは支払われないが、罰金や違約金などは求めない方針。そして田中のファイトマネーに関してはフォローされる方向だという。 統一戦を希望している田中にとっては、未来に向けて重要なV1戦が流れた。畑中会長は「今後については白紙。年内には防衛戦をしたいが…」と最後まで戸惑っていた。
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