カナダ、財政健全化目標に未達か 財務相が言及避ける
(一部脱字を補いました。) Promit Mukherjee [オタワ 10日 ロイター] - カナダのフリーランド財務相は10日の記者会見で、政府が昨年度の財政健全化目標を完全に達成したかどうか言及を避けた。これを受けてエコノミストの間では未達に終わっていたとの見方が強まった。 政府は「秋の経済声明」を16日に公表し、その中で昨年度の財政健全化目標に関して明らかにする見通し。 財政目標を達成できなかった昨年、財務相は新たな3つの財政健全化目標を提示した。しかし、この日の記者会見では「政府債務の対GDP比率の低下を維持することが財政のアンカーで、これが重要だ」と発言。同比率に絞って言及し、財政健全化の目標を達成していたとの自信を示した。財政赤字に関する追加の質問を受けたが答えなかった。 財務相は昨年、2023年から24年にかけての会計年度について、財政赤字を401億カナダドル(283億1000万米ドル)未満に抑え、政府債務の対GDP比率を前年度の42%から引き下げ、本年度も低下させつつ、26~27年度は1%未満に抑えるという3目標を提示していた。 エコノミストや野党指導者らの一部は、財政赤字が目標の401億カナダドル未満を大幅に超え、今後数年間は財政目標の達成が難しいと懸念している。 マッケンジー・インベストメンツの債券担当副社長兼チーフストラテジストのダスティン・リード氏は、財政赤字が抑制されない場合、時間の経過とともにカナダ国債市場やカナダドル相場に影響が出る可能性があると指摘した。 カナダビジネス評議会(BCC)の政策担当上級副社長ロバート・アセリン氏は、トルドー政権の手腕に言及し「現在の政府は財政管理能力を失っており、国民が気づいている」と述べた。