ボストン連銀総裁、今年の利下げは従来の予想よりも少ないだろう
(ブルームバーグ): 米ボストン連銀のコリンズ総裁は、堅調な雇用統計や長引くインフレを受け、2025年の利下げ回数は数カ月前の想定よりも少ないほうが望ましいとの考えを示した。
コリンズ氏は忍耐が必要だと強調し、自身の金利見通しは12月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合後に公表された当局者の予測中央値に一致していると述べた。12月のFOMC予測によれば、今年は2回の0.25ポイント利下げが示唆された。9月時点では4回だった。
ブルームバーグ・ニュースとの8日のインタビューで、同氏は「時間の経過に伴い、一段の緩和が適切となるだろうが、その規模は9月に考えていたよりもいくらか小幅となる可能性がある」と述べ、「じっくりと辛抱強くデータを総合的に評価する。つまり辛抱強く分析的に見ていくことが、今年の政策を考える上で適切な可能性が高いだろう」と続けた。
FOMCは12月17-18両日に開催した定例会合で、主要政策金利を0.25ポイント引き下げることを決定。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは4.25-4.5%となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はFOMC会合後の記者会見で、追加利下げを実施する上ではインフレ面でさらなる進展を目にする必要があると指摘した。
今年のFOMCで投票権を有するコリンズ氏は、昨年9月からの計1ポイント利下げで、金利はなお景気抑制的ではあるが、いわゆる中立水準により近づいたとみている。
1月28-29日の次回FOMCでは金利据え置きが広く見込まれている。
不安定なインフレ軌道
コリンズ氏はインフレ減速を引き続き予想するが、上振れリスクは高まっており、インフレ軌道は「不安定」で「起伏がある」だろうと語った。「私の基本シナリオはインフレ率の継続的な低下だが、恐らくは従来考えていたよりも緩やかに進むだろう」とも述べた。
同氏は、前向きなインフレ動向はより早期の利下げを支持する根拠となり得るが、データが明確でない場合には、当局者はさらに待つ必要があるだろうと指摘。「新政権でどのような政策変更が行われるのか、多くの不確実性がある」と述べ、「それを考える上で、本当に考慮すべき十分な情報があるとは思わない」と続けた。