エリザベス女王、最後の日記の中身が明らかに 亡くなる2日前まで書き続ける
王室の伝記作家として知られるロバート・ハードマンが執筆した『Charles III: New King. New Court. The Inside Story(原題)』の増補版が今月初めに発売された。これはタイトル通り、チャールズ国王に関する本だがその中にはエリザベス女王に関する記述も。新たに加筆された部分では、亡くなる直前に女王が日記に書き残した言葉が明かされている。 【写真】エリザベス女王&フィリップ殿下の、愛あふれる追憶ギャラリー
即位して以来、日記を書き続けてきたという女王。それは晩年、体が弱ってバルモラル城で過ごすようになっても変わらなかった。最後の日記は亡くなる2日前につけたもの。「エドワードが訪ねてきた」と書いてあったという。エドワードとは女王の私設秘書を務めていたサー・エドワード・ヤング(写真中央)のこと。彼は当時、リズ・トラス議員が新首相に就任する準備を手伝っていた。9月6日、トラス首相を任命するのが女王の生涯最後の公務となった。
ハードマンは「彼女の最後の日記は、それまでと同じように事実に忠実で実際的なものだった」と綴っている。ハードマンの言う通り、女王は自分の気持ちや感情は書かず、毎日起きたことを正確に記録することに徹していたという。多忙な毎日に何が起きたのかを覚えておくため、また後世の歴史家が参照できるようにするために書いていたと見られている。以前女王はジャーナリストのケネス・ローズに自分の日記について「会話を書く時間はないから、出来事だけを書いている」と語っていた。
ちなみに女王はレザーの表紙の日記帳を愛用。そこに黒いインクで万年筆を使って書いていた。元王室スタッフは「日記を書くことが、女王の1日の締めくくりの行為だった。それは女王にとって欠かせない義務だった」という。ベッドでは書かず、必ず机に向かって記していたとも。死の直前まで書き続けていたことが、女王の精神力の強さを改めて物語っているといえそう。