那須川天心 前WBO世界王者と激突 中谷潤人と堤聖也の防衛戦も決定…来年2・24有明
プロボクシングの「PRIME VIDEO BOXING 11」の発表記者会見が27日、都内のホテルで行われ、WBOアジアパシフィック・バンタム級(53・5キロ以下)王者・那須川天心(帝拳)が前WBO世界同級王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)と2月24日、東京・有明アリーナで対戦することが発表された。キックボクシングで42戦無敗だった那須川は、ボクシングに転向して6戦目で初めて元世界王者とグラブを交えることになった。秋以降の8戦目で世界挑戦という2025年の初戦で、いきなりビッグマッチを迎える。 また、ダブル世界戦が行われることも決定。WBC世界同級王者・中谷潤人(M・T)が25戦(17KO)無敗のWBC同級6位デビッド・クエジャル(メキシコ)の挑戦を受ける。中谷は3度目の防衛戦。さらに10月に井上拓真(大橋)を判定で下してWBA世界同級王座を獲得した堤聖也(角海老宝石)が元WBC世界フライ級(50・8キロ以下)王者でWBA世界バンタム級7位・比嘉大吾(志成)と初防衛戦を行うことも決まった。 那須川は23年4月にボクシングに転向。初戦で日本ランカー(当時バンタム級2位)の与那覇勇気(真正)に判定勝ちすると、2戦目はメキシコ同級王者ルイス・グスマンにフルマーク判定勝ち。3戦目で世界ランカーのルイス・ロブレス(メキシコ)を初のKO勝ちとなる3回終了TKO勝ちで仕留めた。4戦目のWBA世界4位ジョナサン・ロドリゲス(米国)を3回TKOで一蹴(いっしゅう)すると今年10月、ジェルウィン・アシロ(フィリピン)とのWBOアジアパシフィック同級王座決定戦で判定勝ちし、初のタイトルを奪取した。 那須川は現在、WBA2位、WBC3位、WBO7位とバンタム級で世界ランクに名を連ねている。 対するジェーソン・モロニーは前WBO世界王者で現在WBC5位、IBF&WBO6位の強豪。20年10月には米ラスベガスで当時バンタム級のWBA&IBF王者だった井上尚弥(大橋)に挑戦して7回KO負けしたものの、23年5月にWBO世界同級王座を獲得。2度目の防衛戦となった今年5月、東京ドームで武居由樹(大橋)に判定負けして王座を明け渡したものの、スパーリングパートナーとして堤聖也(角海老宝石)のWBA王座奪取に尽力するなど、バンタム級のトップ戦線にいることは間違いない。那須川との再起戦で勝ち、再び世界ベルト奪取を狙っている。 中谷は今年2月、WBC王者アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)に6回TKO勝ちして世界3階級制覇を達成。7月にはビンセント・アストロラビオ(フィリピン)にボディー一発で初回KO勝ちすると、10月にもペッチ・ソー・チットパッタナ(タイ)に6回TKO勝ち。世界1位を連続して撃破した。V3戦はWBOでも2位にランクされる無敗のホープが相手だが、日ごとにファンの期待が膨らむ井上尚弥との夢の一戦に向けて、ここは負けるわけにはいかない。 拓真との同級生対決を制した堤は24日に29歳になったばかり。初防衛戦の相手も同級生の比嘉に決まった。9月、WBO王者の武居に挑戦して判定負けした比嘉は、再起戦で再び世界挑戦のチャンスを得た。堤と比嘉は20年10月にノンタイトル10回戦を戦っているが、比嘉の1―0でドローに終わった。堤は、今回こそ“親友対決”で雌雄を決してベルトを守る意気込みだ。 戦績は26歳の中谷が29戦全勝(22KO)、23歳のクエジャルが28戦全勝(18KO)、29歳の堤が12勝(8KO)2分け、29歳の比嘉が21勝(19KO)3敗1分け、26歳の那須川が5戦全勝(2KO)、33歳のモロニーが27勝(19KO)3敗。
報知新聞社