島田珠代だけじゃない…間寛平GMのもとで進化する65周年の「吉本新喜劇」、未来を担う「新世代」の芸人たち
「新・新喜劇」の誕生
教会のステンドグラスに一筋の光が射し込み、キリスト像を照らしている。新喜劇のキリストが復活した。そうとしか見えなかった。 小西が、佐藤さんとの新喜劇を僕に見に来て欲しいと言った。それは、小西が新喜劇に入ってから初めてのことだった。 逸る気持ちを抑えて、二人の新喜劇を見させてもらった。そこには主役となってセンスのあるボケを連発する小西がいた。それが新喜劇に入ると聞いて僕が想像した、小西の姿だった。 佐藤さんの熱演も凄かった。演技力って極めると笑いになるんだという新たな発見もあった。さらに佐藤さんの一人語りのシーンでは、胸がじわっと熱くなった。「これ、本当に新喜劇なのか」と疑いたくなるほどだった。小西と佐藤さんの新喜劇は、まさしく、新・新喜劇だった。 この二人のコンビは、ネタバトルで優勝まで果たした。僕の頭の中で埃をかぶっていた、「小西が座長になる」というあの言葉は、今再びその姿を見せ始めている。 なぜ新喜劇はこれほどの長きにわたって愛されているのか? 今回の取材で、その疑問は少し解消することができた。 65周年を迎え、さらに盛り上がりを見せる吉本新喜劇。これからも多くの人の心を、笑いの蜜柑色で染めていくはずだ。かつて子供だった僕のようにーー。 ・・・・・ 関連記事『「ジャニーズと間違えてんのちゃうか」営業で子どもが3万人集まった…? 「吉本新喜劇」を飛躍させた間寛平と木村進の「伝説」』では、やなぎ浩二さん、間寛平GMに新喜劇の黄金時代を振り返ってもらいました。
浜口 倫太郎(作家)