“太陽になれなかった星”の直接撮影に成功
米ノートルダム大学の研究チームが、「恒星のなりそこない」とも言える「褐色矮星(かっしょくわいせい)」の直接撮像に成功しました。この星を詳しく調べることで、太陽系以外の惑星ついて理解が進むかもしれないと言われています。 星にはいろいろな種類があります。太陽のように自分の力で輝く恒星、地球や火星のように太陽からの光を反射して光る惑星などです。太陽は、核融合反応で輝いています。星自体の重さや中心温度、圧力など核融合反応を起こすために十分な条件が揃っているためです。 しかし、今回直接撮影された褐色矮星(かっしょくわいせい)は、核融合反応を起こすための条件が十分でないため、自分の力で輝くことができません。言ってみれば低温でくすぶっている状態で、「恒星のなりそこない」「太陽になれなかった星」なのです。恒星と惑星の中間のような性格ですね。 通常、太陽のような恒星は、星からの光をプリズムのように分けて虹色の明るさや暗さを観察して、その星が何からできているかを分析します。これをスペクトル分析と言います。 このスペクトル分析は、恒星とは違って惑星については複雑で理解が進んでいません。このため、恒星と惑星の中間のような褐色矮星は今後の研究のよいサンプルになるだけでなく、今回、直接撮影に成功したことで、スペクトル分析をしなくても、この星の重さや年齢なども推測できると期待されています。 (監修:アストロアーツ)